2014/01/27

UDA土曜ゲーム会 “第三回エッセン新作会”(2014/01/18)

年が明けて初めてのUDAゲーム会です。

以前の2回にひきつづき、エッセンの新作を集中してプレイしようという“エッセン新作ゲーム会”、今回はその3回目となりました。

プレイしたタイトルの印象、雑感等々をこちらにてご報告いたします。

“ロココの仕立屋”(マシアス・クラマー、ルイス&ステファン・マルツ/エッガートシュピーレ/2013年)

まずはこちら、小クラマーにマルツ父子という豪華なデザイナー3人による話題作から。

都合3種存在するダッチオークションにちょっとしたデッキビルド的要素、ボード上でのエリアマジョリティ、そしてもちろんリソース(糸や絹ですが)マネジメントとドイツゲームではお馴染みのメカニクスがふんだんに取り入れられており、セッション開始前のインスト段階で既にお腹一杯になりそうなボリューム。

難解な部分がない理解しやすいルールでユーザーフレンドリーにこれだけのボリュームを上手く纏め上げたのは3人のデザイナーによる力量そのものでしょうが、しかしはっきり中級者以上向けのオーソドックスなゲーマーズゲームであることも確かで、まあ初心者入門者お断りのレベルではあるかと。

縺れ合った糸のような、過多とも思える最終的な勝利への道筋を見通し、参加プレイヤーの優劣をリアルタイムで判断するのは困難で(とはいえそれでもなおプレイアビリティは高いのですが)、これは同じく今期エッセンの新作のひとつ“ブリュッセル1893”をプレイした時に感じたものと近い感覚で、以前より全くなかったものではないのですが、最新型のゲーマーズゲームのひとつの傾向とも言えるような気がしました。

小クラマーにしてはオーソドックスなデザインでそこがやや残念だったのですが、エッガートのトータルプロデュースがぴしりと決まった流石の完成度で遜色はなく評価はPositive-

“ネイションズ”(Rustan Hakansson,Nina Hakansson,Einar Rosen,Robert Rosen/Lautapelit.fi/2013年)

“エクリプス”で話題をさらったフィンランドのパブリッシャーが放ったエッセン新作の話題作のひとつを国内流通を待って入手、この日初めての立卓となりました。
今回は国家ボードは表面、発展カードも無印の初級のみという初回プレイ時作者推奨のセットでのセッション。

時間的にも空間的にもスケールの広大な世界を対象としている割にはルール自体は比較的シンプルで、大量のカードもアイコンで機能的に整理されていることもありテキストは極力控えたデザインがなされていることからもしっかりとプレイアビリティを考慮していることが窺えるところは好印象。

リソースマネジメントはハードそのもので、拡大再生産とは言えそう易々とは楽にならないこのカツカツ感から僕はプレイ中ずっと“蒸気の時代”での似たような感覚を想起していました。しかしこのバランスデザインは間違いなく正解で、ゲームの面白さにしっかりと寄与しているものと言って間違いないでしょう。

現時点での僕自身の嗜好のコアからはいささか外れますが、鍛え上げられたデベロップ故の完成度の高さは流石で評価はPositive-。たっぷりと詰め込まれたフレーバーも好きな人にはたまらないでしょうね。

ただ僕のようなピュアユーロ信奉者には5時間のセッションは途中ダレることがほぼないとはいえ若干長く感じられたのも確かで、好き嫌いのはっきり分かれるハイエンドフリークゲームというのが今の僕の本作の評価。

2014年の現在、全世界のフリークたちがこぞって攻略に時間を割いているのでしょうね。

“犯人は踊る”(鍋野企画/2013年)

5時間の大セッションで流石にやや疲れたので、箸休め的に本作を。

昨年発売された国産同人のカードゲームで、手札により勝利条件が異なる一種の正体隠匿系。

探偵と犯人というふたつの主軸に、様々な効果をもった脇役ともいうべきカード群が味付けすることで全体のボリュームを構成しています。

カードの効果はテキスト主体で表記されていますが、程よいバランスの考えられたデザインが上手くまとまっており、日本人に多いライトユーザーにもウケはいいかと思われました。

セッションの進行によって誰がどの手札を持っているのか、次第に情報が収束していくデザインは技ありで、評価はPositive-。フィラーとしても機能しそう。

“浪人”(高天原/2013年)

関西の重鎮、高天原が昨年末コミケにて発表したトリックテイク。

3スート切り札なしのマストフォローで、獲得したトリックでもって“ケルト”のように昇順か降順でカードを並べ、規定枚数に達することでタスクを消化し、得点とします。

正規流通バージョン前のいわばプロトタイプゆえ評価はしませんが、セッションの間はその面白さに意識を集中させられました。

切り札がないため手札に小さい数字しかない時が辛いという意見も参加プレイヤーから出されましたね。もし商品化されるならその辺りがどのように修正されてくるのか興味深いものです。と同時にトリックテイクのデザインの難しさについても考えさせられたり…。

“パケット・ロウ”(アーシェ&ヘンリック・ベルク/ホワイト・ゴブリン/2013年)

“オレゴン”などの作者によるエッセン新作ピュアユーロ。

全体的なメカニクスは非常にシンプルで、若干の特殊カードさえ理解できればすんなりセッションに意識を集中できる間口の広さがまずは好印象。

シンプルな競りでもって必要なカードを揃えていきタスクを達成することで名声点を得るという流れは実に素直そのもの。ただし、それだけでは当然終わらない…

親が指定したエリアでの入札、最後に親がビッドするのだがここで親が落札した場合そのラウンドは即終了、つまり落札できなかったプレイヤーはカードが入手できずに終了となる。

このメカニクスが秀逸で、シンプルな全体の構成に、非常に濃厚な人間臭い駆引きのスパイスが上手く加味されており、本作ならではの独特な面白さを生み出すことに成功している。

またこのメカニクスから様々な戦略的読み合いにも発展しうる可能性があり、奥行きがもたらされている点も素晴らしいかと。

もう少し続けたいと思わせるギリギリのところで終止符が打たれるこのきっぱりとした収束性こそドイツゲームそのもの。評価はPositive。ピュアユーロ愛好者であればやるべし。

“なつのたからもの”(ライナー・クニツィア/ニュー・ゲームズ・オーダー/2013年)

最後に本作でこの日は〆。クニツィアの“ノミのサーカス”の国内リメイクバージョン。

いわば坊主めくりとセットコレクションの楽しめる、クニツィアの安定の一作。

夏休みをテーマにした和風のアートワークが素晴らしく、個人的にはアミーゴオリジナル版よりこちらの方が好き。これだけで所有欲が満たされるという感覚も。

運要素の強いゲーム自体を僕はそれほど高く評価しないのでNegative+だがNGOのプロデュースには消費者を満足させるものが確かにあって、持っているだけで心のどこかに満足感を与えてくれるというのはコンポーネントありきのテーブルゲームとして成功しているとも思います。

2014/01/20

続・2013年印象に残ったタイトル

先日のエントリー、“2013年 印象に残ったゲーム13タイトル”に読者の方からコメントをいただきました。選に漏れたタイトルも紹介して欲しいというご意見を頂いたので、今回の記事のエントリーとなりました。

2013年に初めてプレイしたタイトルのうち、個人的に特異な位置に付けるタイトルを“印象に残った”という切り口で紹介させていただきます。面白かったタイトルのベストというわけでは必ずしもないので(とはいえ良作も多数入っているのですが)その辺り留意していただければ、と思います。


“マグナグレキア”(レオ・コロヴィーニ&ミヒャエル・シャハト/クレメントーニ/2003年)(1月5日UDAにてプレイ)

コロヴィーニとシャハトという異色の組合せで、本作がスルーするには勿体ない佳作であることもあって、この2人による共作が他にもあるのか気になる所。

ルールは難しいというわけではないのだけれど、独特でやや煩雑なためインストのハードルはする方も受ける方もやや高い。

鉄道ゲーム的なネットワーク構築と価値変動する町つまり株。これらの要素を収束性もそこそこに上手く纏め上げており、高い評価も頷ける。

視認性が悪いのが非常に残念。持っていても悪くない隠れた名作。この2人からこんなゲームが生まれたことが、どうにも不思議だった。

“グランドフロア”(デヴィッド・ショート/TMG/2012年)(2月23日UDAにてプレイ)

個人的にも贔屓にしている米国のパブリッシャー、テイスティミンストレルゲームズからのキックスターター発の新作を崩しました。

CEOとなって会社の経営をするワーカープレイスメントで、システムやアートワーク、コンポーネント等も含めたゲームとしての完成度は高く評価できるのですが収束性に難ありで、たしかこの日のセッションも5時間ほどかかっており、この内容にしては時間がかかり過ぎなのが惜しい。そしてそこからリプレイ欲求もイマイチ…というのが僕の本作の位置付け。

TMGの最近の大箱は収束性がやや気になります。“ホームステッダーズ”のあの納まりの良さを再度期待したいものです。

“バヌアツ”(アラン・エプロン/KND/2011年)(3月2日UDAにてプレイ)

透き通った青い海、抜けるような青空のもとで行われるドロッドロの観光客誘致合戦。

アラン・エプロンの才気が十分に発揮された、非常に独創的な変則的ワーカープレイスメントをメインに、各種要素が上手くまとめられた完成度の高い一作。

良いゲームですが晴れやかな舞台とは関係なく、胃にもたれるような爽快感の無さ(笑)に、プレイヤーは選ぶかも、という危惧も。

ルールブックまで公開された次作“マッシリア”にも非常に期待していたのですが、現在消息不明で発売が頓挫しているのが残念。(おそらく世に出ることはないでしょうね。)

“ウムコプフウントクラーゲン”(ステファン・ドラ/ベルリナーシュピールカルテン/1997年)(3月30日UDAにてプレイ)

程よいボリュームのダイスロール&競りの佳作で、さすがは手練れドラ。

こんな作品がポロポロと落ちているところがドイツゲームの懐の深さなんだなー、と。

17年も前のタイトルで当然ながら現在絶版。再版する価値もあるように思うんですけどね。

“マカバナ”(フランソワ・ハフナー/ティルシット/2003年)(3月30日UDAにてプレイ)

シンプルなバッティング(&陣取り)がメインメカニクスの、ドイツゲーム史に残る傑作のひとつ。

良質なユーロの好サンプルで、テーブルゲームが好きならやっておくことを強くお薦めします。(そしてここからユーロのなんたるかを考える最初の一歩になったならズブズブとユーロの沼に嵌っていくことになるかもしれませんね。)

流通やマーケティングの問題からか、作品本来の持つ面白さに見合った人気を勝ち得ていないように思われますが、理想的なファミリーゲームとしても成立しうる完成度の高さは抜群ではないかと。

“モンテカルロの夜”(ステファン・ドラ/ブラッツシュピーレ/1997年)(6月30日“越前市ボードゲームの会”にてプレイ)

またしてもドラ。(2000年前頃のドラは一体なんなんでしょう。)

非常に独特な競りゲームで、上手くインストできなかったこともあって、この時の印象はあまり良くなかったのをよく覚えています。

2013年度モヤモヤ大賞は本作か。この喉に小骨が刺さっているかのような感覚からもう一度プレイした上で作品の真価に迫りたいと思っています。

“ピサ”(ギュンター・ブルクハルト/アドルング/1999年)(8月17日UDAにてプレイ)

鬼才ブルクハルトの変則的トリックテイク。以前より欲しかったタイトルのひとつでしたが永らく絶版で入手できなかったタイトルのひとつをようやく手に入れることができました。

手札が配られた後で、最初にそのトリックのルールを決める、というのはある意味で行きついてしまった境地という気も。

ディールされた時点で、このラウンドは勝ちにいくのか、それともダメージを最低にするべく振る舞うのか、そういった視点も必要で、ゲームは深みのあるものといっていいかと。

“マーズニーズメカニクス”(ベン・ロセット/ネヴァモアゲームズ/2013年)(9月15日“越前市ボードゲームの会”にてプレイ)

米国のパブリッシャーからクラウドファンディングにて発売された、シンプルな株ゲーム。

アメリカ産のゲームにしては珍しいほどシンプルなシステムメインのタイトルで、そのシンプルさには淡泊という言葉さえ浮かんだものです。(そしてシャハトのデザインテイストをこの時想起していたことをよく覚えています。)

シンプルな株式変動に何枚かのテキストが載った特殊カードが絡み(この辺りはさすが米国産ですね)、各プレイヤーのマネジメントの力量が問われる良質なタイトル。

収束性も良く、今後のリプレイも考えたいところ。ちょっとシンプル過ぎるところが好みの分かれる点かもしれませんね。

“俗語論”(マリオ・パピーニ/ジョーキ/2010年)(10月13日UDAにてプレイ)

以前より気になっていた重めのゲーマーズゲームをようやく初プレイ。

非常に濃厚な背景設定のなかで行われる、アクションプロット&ワーカープレイスメントで、コンポーネントやアートワークは素晴らしいのですが、盤面のプレイヤー間の情報量が錯綜しており、まあ一見さんお断り的なハードルの高さは否めないか。

BGGでの評価も高く、悪いゲームではないのですが、こういったゲーマーズゲームは激戦区で、あえて本作を手に取る訴求力はいま一歩かな。

“ヒマラヤ”(レジス・ボネセ/ティルシット/2004年(10月13日UDAにてプレイ)

ティルシットからの(隠れた)名作その2。アクションプロットの何たるかがたっぷりと楽しめる非常に良質なユーロ。

他プレイヤーの動向に細心の注意を払いつつ、将来の自分の行動を今この時に決定しなければならない(つまり後戻りは一切許されない!)アクションプロットの厳しさを知るにも最適な一作か。

いやはや面白いゲームですよ。

ボネセといえば近作“12季節の魔法使い”の人なんですよね、意外!

“ドラダ”(ルディ・ホフマン/ラベンスバーガー/1988年)(12月21日UDAにてプレイ)

ハバから再版リメイクされていた“お宝はまぢか”で本作には既に慣れ親しんでいた感もありましたが、この日初めて本家をプレイ。

4つのコマを管理する、ダイスロールでの変形すごろく。

シンプルながらしっかりジレンマもあって今プレイしても十分楽しめる良作。

アブストラクトのようなアートワークの本作よりもフレーバーに魅力的なハバリメイク版の方がお奨めではありますがw



以上11タイトルを駆け足で紹介させていただきました。こうして一年を振り返ってみると我ながらいろんなゲームをやっていたんだな、と再確認、再発見させられますねw

というわけで2014年もたっぷりとテーブルゲームを楽しみたいものです。再見!

2014/01/06

2013年 印象に残ったゲーム13タイトル

昨年初プレイしたタイトルの中から、あくまでもマイベスト10ではなく、自分の中で比較的特異な位置に存在するタイトルを“印象に残った”という切り口で選出してみました。

選考基準として新作(2012年および2013年発表のもの)、国産同人、有名なもの(ここの判断は甚だ曖昧ですw)は外しました。

本当は10タイトルに絞りたかったのですが、選出は困難で、結局妥協して全13タイトルに。それでも取り上げたいタイトルは他にも少なくありません。

ゲームとしてつまらなかったものも一部入っていますが、そういう趣旨のものであるということで、単なる個人的な記録のひとつとしてお読みいただければと思います。

タイトルに順位はなく、時系列で古いものから紹介します。


“アッシリア”(エマニエール・オルネッラ/イスタリゲームズ/2009年)(1月5日UDAにてプレイ)

オルネッラによる2009年のエッセン新作。長い間積んでいたビッグタイトルをようやく崩せました。

リソース管理とやや緩めの陣取り。時間がかかるのがネックですが完成度は高く、プレイできた意義はあったな、と当時思ったものです。

同好の士がいれば今後も立卓しうる力はあると思っています。

“理性の時代”(マーティン・ワレス/シュピールワークス/2011年)(3月8日UDAにてプレイ)

“帝国の闘争”のワレス自身によるリメイク。元のタイトルにあった煩雑な部分がすっきりとリファインされており、プレイアビリティが向上。その分元タイトルにあったフリーク受けの良い濃厚な成分が薄まったという声もあるようですが。

これが“後期ワレス”なら“後期ワレス”も悪くない、のですがこれ(と“エアロプレーンズ”?)しかガツンとくるワレスは今のところ…。

いやぁ、でも面白かったなぁ。流通の問題からか、あまり話題になっていないのが残念。

“スクウェア・オン・セール”(澤田大樹/レイトとこぶしゲームクラブ/2005年)(3月20日越前市(福井)ボードゲームの会にてプレイ)

厳密には国産同人枠なんでしょうけどプレイできた記念もあって例外的に選出せざるを得なかった(笑)。日本人作家によるキレキレのデザインが楽しめる。

メカニクスは大雑把にいえばリバーシと特徴的な競り。こんなゲームが今から8年も前に発表されていたのかと。

2009年にB2Fから再版されていますがこちらも絶版で、(人は選ぶかもしれませんが)今こそ再々版を是非乞いたい所存!

“マラケシュ”(ステファン・ドラ/コスモス/1996年)(3月30日UDAにてプレイ)

“カタンの開拓者”の一年後に同じパブリッシャーのコスモスから発表。

ドラのデザインセンスの素晴らしさが堪能できる非常に優れたドイツゲームで、いわゆる“ピュアユーロ”が好きなら本作をスルーするのは勿体ないかと。

家族でも楽しめる間口の広さも魅力。

個人的にはドイツゲームの懐の深さを再認識させられた一作でした。

“恐怖の光”(ギュンター・ブルクハルト/コスモス/2006年)(3月30日UDAにてプレイ)

ブルクハルトここにあり、とばかりに変態的な彼のゲームデザインの一端を垣間見ることができる、こねくりまわされたカードゲーム。

BGGに公開されていた英語訳ルールとPGDBに登録されていたカード和訳を参考に、自作シールで環境を整えてプレイにこぎつけた記憶も既に懐かしい。

ゲーム自体ではなくゲームデザインの妙味そのものを楽しめる(この辺考え始めると長い議論になりそう)人向けという気も。

“コーポレーション”(エリック・ソロモン/ネスターゲームズ/2009年)(6月15日UDAにてプレイ)

“シグマファイル”や“ビラボング”で知られる英国人デザイナー、エリック・ソロモンがスペインのアブストラクト専門パブリッシャーのネスターゲームズから発表している、彼らしい一風変わったデザイン、インタラクションが楽しめるストレンジゲーム。

軽妙なアートワークと奇妙なメカニクスのマッチングが非常に印象的だった一作。

本作をプレイした後僕はネスターゲームズに発注するようになった。

“メディナ”(ステファン・ドラ/ハンスイムグリュック/2001年)(7月6日UDAにてプレイ)

ドラによる多人数アブストラクトの名作。これも積みっぱなしだったのだがようやく崩せた。

存在感十分の大きめの木製コマがどっさりと入っており、これらのコマを使って切れ味鋭いアブストラクトがたっぷりと味わえる至福の時間だった。

リプレイにも十分耐えうるし、今後もプレイを重ねたい一作。隙はない。

“カラット”(ディルク・ヘン/dbシュピーレ/1993年)(8月17日UDAにてプレイ)

後にヘン自身がクィーンから“庭師の技”としてリメイクすることになる、彼がまだメジャーデビューする前に自身がいわば自費出版した一作。

コンポーネントは流石にチープ(とはいえ終了時の盤面は美しい)だが、ゲームデザインは発表から20年経った現在でも十分楽しめる完成度の高さで、後々のリメイクも十分意義のあることだったのだな、と。

ヘンもまた隅に置けないデザイナーだな、と思う。

“ツイクスト”(アレックス・ランドルフ/3M/1961年)(9月6日神戸トリックプレイにてプレイ)

現代のテーブルゲームをたっぷりとやりこんでいるすれっからしの私のようなフリークの脳髄にガツンと大きな衝撃をかました、50年以上前の巨匠ランドルフによる名作。

プレイ後入手すべく各方面を物色していたが折よく駿河屋にてコスモス版を入手できた。

自身がやりこんでいた“囲碁”の影響を感じずにはいられない2人用アブストラクトで、ファンによる定石の研究は今も続いている。

“チップ・チップ・フラー”(クラウス・トイバー/クレー/2001年)(9月6日神戸トリックプレイにてプレイ)

トイバーによる玉手箱をひっくり返したような、シンプルながら非常に楽しい、ギミック、アクション、デクスタリティ。

大人でも十分楽しめるのはそのギミックの完成度ならではなのだろう。

こちらも神戸から帰郷後入手すべくあちらこちらを探した思い出の一作。(とこれを書いていたらまたやりたくなってきたなぁw)

“ジュピターのもとに”(ミハエル・フェルドカッター/コスモス/2008年)(9月21日UDAにてプレイ)

針の穴に糸を通すような緊張感を強いられる、痺れるようなトリックテイク。

フェルドカッターは僕には合わないという認識を百万光年の彼方へと放り投げた、マイベストトリテベスト10クラスの秀作。

最初はルールが多すぎるような気がするかもしれないが、無駄は一切なく、完成度は非常に高い。トリテ好きならマスト。

“ナミビア”(ブライアン・ロブソン/ミュックシュピーレ/2010年)(10月13日UDAにてプレイ)

2013年度個人的残念大賞はこれか。

システムはダイヤの原石を思わせるところもあり、ブラッシュアップを重ねればエッセン一線級のタイトルにもなり得たのではないか、と。

あとコンポーネントのサイズ設計が致命的に失敗している。これほどストレスのかかるプレイを強いられたコンポーネントも久しぶりだった。

因みにボードゲームブログで有名なふうかさんから譲っていただいたもの。(密かな自慢w)

“落水邸物語”(佐伯拓也/ヤポンブランド/2005年)(11月3日東京ラ管連にてプレイ)

これも厳密には国産同人枠だがもう時効ということで(笑)。

日本人デザイナーによる、“将来を作る”(量子トリテ!?)、変則的トリックテイク。

マネジメントはどこまで可能かなどの論点をめぐって、感想戦が必ず白熱する(ということは良いゲームだということだw)まったく憎めないタイトルで、鮮烈な印象を残した。

出不精の私ゆえ東京での初めてのオープンゲーム会参加もこの日だったなぁ。


以上早足で13タイトルを紹介しました。

この他レギュレーション他により選に漏れたのが下記のタイトルたち。
・マグナグレキア
・グランドフロア
・バヌアツ
・ウムコプフウントクラーゲン
・マカバナ
・ピサ
・俗語論
・ヒマラヤ
・ウナニモ
・ドラダ etc.

2014年も面白いボードゲームをたっぷりとプレイしたいものです。謝々!

2014/01/03

シュリンクを斬る!㉘ “ネイションズ(Nations)の巻”

当ブログ読者の皆様、新年あけましておめでとうございます。

2014年最初の更新記事です。

今回は昨年末よりホビージャパン社が国内供給を開始したシュピール13の話題作のひとつ、“ネイションズ”の開封、コンポーネントの紹介記事です。


遂に国内流通の始まった“ネイションズ”です。箱のサイズはかなりのもの。

さてではシュリンクに刃を入れます。ぶすり!

ズズズ…。

切れ目からシュリンクを剥がしていきます。

バリバリと剥がしていきます。

裏面はほぼばっさり。

表にまわってこちらもばっさり。

すべて剥がしました。

コンパスがあしらわれた真っ赤なタイトルロゴ。

歴史上の著名人がずらり。その下では西洋の騎士と日本の侍が剣を交えています。こういう世界観のゲームなんでしょうか。

デザイナーのクレジットですがさっぱり知らない人がずらりと4人も並んでいますね。フィンランドのパブリッシャーからの出版ですし、フィンランド人でしょうか。

そして裏面。

1~5人、14歳以上、プレイヤーひとりあたり40分。安心のドイツ製。

ボードを広げるとこうなると。

コンポーネントのリスト。これはまた多そう。

国内流通版は英語版ですね。アスモデのディストリビュート。

パブリッシャーはフィンランドのラウタペリ。“エクリプス”と同じパブリッシャーです。

しかしデザイナーもアーティストもさっぱり分かりませんね。

それではいよいよ箱を開けます。ぐぐぐ…。

ぱかり!

まずはルールブックです。

英語表記のもの一冊のみ入っていました。

英語表記は流石に親しみやすさが違いますねw

ソリテアにも対応している本作。これもまた面白そう。

つづいて個人ボード。

最大プレイヤー数と同じく5枚ありました。それぞれに国家が割り振られているようです。

最初からこの5枚はプレイされている仕様でしょうか。

これはエジプトのボードですね。

つづいてメインボードその1。

手番順の変更がある模様。キングやプリンスという表記は難易度の個人毎の調整に関する項目だったはず。

全部で4つの時代に分けられるのでしょうか。

因みに裏面は黒一色でした。

そしてパンチングシート。

全部で4枚。

抜いていきます。

抜き終わりました。抜きやすさはA(良い)~E(悪い)の五段階評価でC(普通)といったところ。タイルの形状がやや特殊なものもあり、その点での抜きにくさはありました。

これは鉱物。

勝利点?

お金で間違いないはずw

食糧とみていいでしょう。

“使用済み”を表すタイルも。

50点を越えたときに使用するものでしょう。文化度?

イベント関係の正方形タイル。けっこうな数。

プレイヤーサマリ。4枚しかないんですね。

裏面はスコアリングサマリですね。

全てのタイルを付属の袋に納入。

残ったコンポーネントはこれだけ。

箱から出しました。カード、木製コマ、ダイス、スコアパッド。

ミニユーロサイズのカードが大量にありました。

セロハンの呪縛から解き放ちましょうw

カードは大きく3種に分けられます。ブランクカードが多い!

ちょっと小さいのですがカードの中には中級用、上級用があり、右下の小さいアイコンで識別できます。左の十字が中級、右の赤いのが上級です。

ブランクがあまりに多いので気になったので全296枚のカードを検品しました。間違いなく揃っており一安心です。

全てのカードを一山にするとこんなにも高くなりました。ここからも大変な量であることが分ります。

カード類も大別して小袋に仕分け。

つづいて木製コマの検品。しっかり揃っていました。

いろんな角度からパチリ。

小袋に仕分けました。ダイソーの2番です。

残りの木製コマはこちら。数は揃っていました。

ということでこちらも袋に納入。

それでは箱にしまっていきます。

どさどさとカードやタイルを放り込みます。

これで小物類はすべて。

つづいてメインボードその2。

メインボードその1。

個人ボード5枚を重ねます。

英文ルールブックを入れます。

最後にこちらの和訳ルールブック。

和訳担当は進藤欣也氏。“レースフォーザギャラクシー”なども担当されていた方ですね。

因みに国内流通版にも和訳シールなどは付いておらず、代わりにこのような一覧表が添付されています。

これは各種戦争に関するカードの項目。うーん、薀蓄。

最後にこの和訳ルールブックを納入。

そして蓋をして終了。

比較的分量の少ないルールと大量のミニユーロサイズカードにプレイ意欲を刺激される本作。プレイが楽しみです。