2020/10/20

UDA土曜会(2020/10/17)

 17日の土曜日は自宅ゲームスペース“UDA”でのゲーム会でした。

この日の越前市は予想最高気温17度(実際は16度までしか上昇しなかったようですが)の肌寒い一日で、朝から時折小雨がちらつく生憎の空模様。終日にわたりどんよりとした雲が空一面を覆いつくしていたことも最高気温が上がらなかった一因になっていたと思います。

開始時こそ長袖のシャツ一枚でしたが、日中気温が上がらなかったこともあり、午後からは上にパーカーを羽織り、足元のファンヒーターとエアコンの暖房も初稼働させました。

ゲーム会の開始前にセブンイレブンでホットの方のドリップコーヒーを買い求め、この日のゲーム会に臨みました。

定刻の9時ぴったりに4人が揃い、開始となりました。


カエサルは果たしてダイスを振ったか?賽は投げられた。4人。

このタイトルから開始。アラーズとアイゼンシュタインによる2009年作でアレアの中箱第5弾になります。

手番で8つのダイスを振り、5つのエリアのいずれかに配置します。より大きい値、ゾロ目、順目などエリアはそれぞれ配置できるダイスの組合せが異なっており、またラウンド終了時に獲得できるタイルの性質もそれぞれです。

どのタイルも魅力的なのですがラウンド毎に供給されるタイルの枚数は限られており、ラウンド終了時の熾烈な生き残り判定をクリアするためにも当然ながら的を絞ったダイスの配置が求められます。

また一部のタイルは相互補完的な性質を持っており、あるタイルを入手することで、のちのち手に入れるべきタイルがある程度特定できることからそのタイルをめぐるプレイヤー間の駆引きが生まれます。

一度配置したダイスは固定されることもあって、他プレイヤーの出方を伺いつつ確実にタイルが獲得できるようにダイスは使っていきたいのですが、じわじわと小出しでいくと、いずれかのプレイヤーがダイスを置ききることがラウンド終了のトリガーとなっているため温存していたダイスが全てトイレ行きとなってしまうためここぞというところではリスクも顧みず、出し惜しみせずにダイスを使っていく局面もあるあたりが秀逸で、進行はけして間延びしません。

またトイレに行ったダイスにも振り直しチップ獲得という救済措置があるあたりはありがたくも優しさを感じるデザインだなと。

うまく領土と貴族を無駄にしないバランスのよいタイルの収集がまずは求められるのですが、方針とマッチすることで大きな可能性のある元老院タイルも無視できない存在です。といってそちらにばかり集中すると低コストで取られてしまいかねないフォルトゥナチップもあって、何かに特化していればいいという単純さのないバランスの良さは感じました。

実プレイ60分前後ながらファミリーストラテジというのは憚られる、紛れもないゲーマーズゲームで、万人にはお勧めしませんが、ゲーマー向けの隠れた秀作という印象。8.0

そういえばこのコンビはパンドリアの二人でしたね。あちらも地味ながら光るところがある好タイトルでしたし、このコンビからはこれからも目が離せそうにありません。


やや早かったのですが当初の予定通り早めの昼食に行くことにし、午前中は1タイトルのみで〆めて昼食休憩に。

この日の昼食はこれ。おろしそば大盛りとソースカツ丼のセットです。昼食にしては早めの時間帯だったのですがフードコートは満員で四人掛けのテーブルには座れませんでした。コロナ下の自粛ムードは一体どこへ行ったのかという世の空気を感じました。

この後隣接しているスターバックスコーヒーでキャラメルマキアートのホットを買い求め、午後からのゲーム会となりました。


御大ワレスの名作リビルト成る。ブラス:ランカシャー。4人。

“産業革命期という激動の時代のイングランドで、実業家であるあなたはインフラや近代設備の建設を通して富と名声を求めます”

ワレスの重厚なタイトルが全体的な見直しとともに生まれ変わりました。新しく要素が付け加えられた通称“白ブラス”に対し、こちらはプレイアビリティの向上に主眼が向けられた通称“黒ブラス”です。

手番では1枚カードを使ってワンアクション、これを2回行います。アクションは5種類ありますが、カードの内容が影響するのは“建設”のみ。基本的な構造は実にシンプルです。

大切なのはカードに大別して“都市”と“産業”の2種類があり性質が異なること、また“接続”と“ネットワーク”という二つの概念があり、ここをしっかりと理解しておくことが本作を楽しむ上で必須となります。

フレーバー(たっぷり2ページ)や補足、バリアントなどが詰め込まれているにも関わらず、ルールブックは全12ページで、ここからも重量級ながらルールの総量は比較的少ないことが伺えます。また言語依存も全くありません。

しかしながら勝つためにプレイヤーが考えなければならないことは、質、量ともに本作ならではのものがあり、一戦を終えた後の(心地良い)疲労感と充実感もまた特有のものがあります。

ボードのそこここで、局地的にプレイヤー間のウィンウィンが発生するのも本作ならではで、この濃厚なインタラクションもまた本作の大きな魅力です。ウィンウィンとはいえ自分の利益と当該プレイヤーの利益を秤にかけることが大切なのは言わずもがなですが。

運輸、産業の両タイルの配置は早い者勝ちの陣取り要素で、そのラウンドで使ったポンドによって次のラウンドの手番順が決定されるというメカニクスと相俟って、駆引きやマネジメントの面白さは濃厚なものがあります。

個人ボードや人物タイル、仕切りタイルなどなどがプレイアビリティの向上に大きく貢献しており、また心配していたメインボードの視認性も問題ありませんでした。バーケンヘッド周りの変則的な接続のルールもそっくり省かれています。本作をプレイして、ウォーフロッグ版を(一生懸命原語ルールを精読しつつ)あれこれ試行錯誤しながらプレイしていた日々を懐かしく思い出したりもしました。あちらはあちらでアートワークも含めて捨てがたい魅力はあるので手放すことはないと思いますが。

本作でしか味わえない、つまり他のボードゲームでは代替不可能な魅力のあるワレスの代表作のひとつ。プレイヤーに求められるスキルの高さが唯一気になるところか。8.5


インスト込み4時間の熱戦を終えて夕方5時過ぎとなりここで参加者の一人が帰られ、別の一人が参加ということで一人入れ替わりという形となって4人でのゲーム会はもう少し続きました。冒頭でも書いたようにこの時点で足元のファンヒーターは既にオンの状態、暖房も入れていました。


もともとダイスゲームじゃない、というありがちな突っ込みはなしで。ブルゴーニュダイスゲーム。4人。

“ここは15世紀のロワール峡谷。領主として地元の発展を目指しましょう”

フェルトの代表作のひとつのダイスゲームバージョンで、作者としてクレジットされているのはフェルトとクリストフ・トゥーサン。

特定の誰か(ルールではこのゲームの持ち主)が5つのダイスを振ります。ダイスは砂時計がひとつと6色のカラーダイスがふたつ、通常の6面体がふたつで計5つ。この5つの出目の結果を全員が共有します。手番の概念はありません。

砂時計はゲームの進行を司り、10マス埋まるとラウンド終了で決算です。全部で3ラウンドあります。

残りの4つのダイスから色と数字でひとつのペアを作り、各自のシートに数字を書き込んでいきます。

領土には書き込める数字が決まっており、またマーク済みのマスに隣接しているマスに限定されるため領土は開始時の城を出発点にそこから次第に広がっていくイメージです。

特定の色を埋めることで色や数字を自由に変えられる修道士や労働者が入手でき、これらのタイミングを考慮した効果的な利用がプレイヤーには求められる辺りは本作の醍醐味。

可もなく不可もないロール&ライトという印象。僕は“ブルゴーニュ”のままならなさがあまり好きではなかったためあのタイトルには世評ほどの好印象はもっていないのですが、それと同じ印象を本作にも感じ、なるほどそこを継承しているのかな、と勝手に解釈した次第です(そういう意味では確かに本作は成功しているとも言えるのですが)。

では自分にとって納得できる“ままならなさ”とは何か?という問題が表出してくるわけですが、それはまた別のタイトルをプレイした際にでも考えてみたいと思います。6.5


列車は西を目指してひた走る。ライド・ザ・レイルズ。4人。

キャップストーンゲームズがウィンサムゲームズから販売権を獲得して流通が始まった、ハリー・ウーがデザイン、イアン・オトゥールがアートワークの鉄道ゲームでこの日は〆めました。

①株券の獲得→②線路の敷設→③乗客の輸送、という3段階の流れで各ラウンドが構成されます。①の処理のみ手番の逆順で行われ、全部で6ラウンドです。

毎ラウンド、手番順は所持金(事実上の勝利点ですが)によって調整されます。株券の購入は他プレイヤーの出方を見て決めたいところなので、なるべく先手番を取りたいことになり、勝利点の獲得において微妙な調整も出来るようであれば考えたくなります。

また駅から駅までを一路線と定義し、乗客の運搬においてその路線が使われることで、その路線の株券を持っているプレイヤーにドルが支給されます。つまり事実上の1勝利点となるわけです。

鉄道プラス株という確立されているいちジャンルを出来るだけコンパクトに、とはいえそのジャンル特有の戦略性を大きく犠牲にすることなく仕上げることに成功した佳作というのが一戦してみての率直な感想。

各ラウンドで獲得できる株券はなにせ1枚のみというのがなんといってもソリッドで、ゲーム終了時に各プレイヤーが等しく6株持っている(しかし当然ながらその内訳はそれぞれ)というのもまた痺れます。異論はあるかもしれませんが、この辺りの引き締められた完結具合に僕などはシャハトの往年の名作群を想起したりしました。

また登場する鉄道会社は開始時は2社のみで、ラウンド毎に1社づつ追加されていくというシステムもまた注目点のひとつ。各鉄道会社の線路となる機関車駒は限られており、どれかに特化してその会社にばかり注力し続けるわけにもいきません。また株券は機関車駒が兼ねており、株として購入されることで線路の本数が減ることにもプレイヤーは意識していなければならないでしょう。

実に潔いピュアユーロと僕は捉えます。運要素ゼロながら勝敗が個人のスキルは勿論あるのですが、他プレイヤーの動向にも大きく左右される(と僕には感じられた)辺りが評価の分かれ目になりそう。7.5


予定ではもう少し続けるつもりでしたが、“黒ブラス”での消耗がやや大きかったのと翌日も朝からゲーム会の予定だったので以上4タイトルでこの日は終了しました。

ひとりはここで帰宅しましたが残った3人で恒例となりつつある反省会も含めた夜のラーメンとなりました。時刻は午後9時半頃だったと思います。結局この時刻でも時折小雨がちらついていたように思います。

大盛りラーメンとチャーシューご飯小。ラーメンが美味しいのは勿論なんですがこのチャーシュー丼がまた美味しいんですよね。ボードゲームで頭を酷使した後の空腹状態にこのセット。もう定番の流れ😓。参加していただいた皆さんに感謝。ありがとうございました。


この後帰宅してから翌日の“えちボ”の準備を少々やってベッドに入りました。ゲーム会だと一日が本当にあっという間ですね😅。

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