2014/02/24

越前市(福井)ボードゲームの会 2月ゲーム会('14/02/23)

23日の日曜日は私が主催している地元ゲームサークルの2月ゲーム会でした。

プレイできたゲームについて簡単な感想、雑感をこちらにてまとめておきます。

“サンタクルーズ”(マルセル・アンドレ・カサソラ・メルクル/ハンス・イム・グリュック/2010年)

この日は寡作なメルクルの2010年作から開始。4人。

インスト30分、実プレイ60~90分、テキストのない中量級ピュアユーロ。

各プレイヤーは美しいサンタクルーズ島に入植し、開拓を進めます。

手番では建設カードをプレイして自分の建物を島に配置するか、決算カードをプレイして盤面の状況を得点に反映するか、大きく分けてこの二択。

ネットワーク構築と早い者勝ちの陣取り的要素がメインメカニクスなのですが、他者との差を広げるには効率の良い決算カードの使用が肝で、各プレイヤーの動向から決算カードを類推し、自分のプレイに反映させていくのも本作の醍醐味。

手番に使えるカードは1枚だけなのでどこで決算にいくか、そのタイミングの見切り、ここは待って建設を進めるのか否か、そういった良質なジレンマがシンプルで見通しの良いメルクルのゲームデザインによってもたらされており、本作ならではの快楽が生まれています。

流石はハンスと思わせられる良質なアートワークと素晴らしい木製コマの数々で、プロダクツとしても申し分のない仕上がり。評価はPositive

久しぶりにプレイしましたが“あれ、こんなに面白かったっけ?”と首を傾げるほど楽しめました。

シンプルな骨組みのようなシステムゆえに読み合い、駆け引きに意識を集中できる良作。僕の中の理想のユーロ。

“ピック・ア・ディリー”(ハルトムット・コメレル/アバクスシュピーレ/2005年)

シンプルなルールのプロット&バッティング。

他者がどう出てくるか、その心理戦オンリーといってもいい運要素ゼロゲーム。

ゲーム開始時にはプロット(といってもほぼいずれかのプレイヤーを指名するだけのものだが)の方針が立てづらく、方向性が見えにくいが、進めるに従いおぼろげに取り得るべき指針のようなものが見えてくるような見えてこないような、そんななんともいえないもどかしさのうちにセッションは終了してしまうという印象。

軽妙なアートワークがシステムやルールとのマッチングも良好でなんとも憎めない。

十分に楽しめたし、プレイを勧められるけれど評価は厳しくNegative+。もう少し判断に具体的な材料が欲しいという気もするし、先行するプレイヤーを止めにくいというのは欠点と判断。しかしアイデアは面白いしゲームとして十分完成されてはいますね。

“BIRTH”(Product Arts/2013年)

拘りの国産同人ゲーム創作集団プロダクト・アーツが昨年暮れに発表したタイトルをようやくプレイ。

2~3人用というプレイ人数が特徴的な一種の変形双六とエリアマジョリティ。

各プレイヤーに支給される全11個のダイスをゲーム開始時に振り、以降の手番で1個ずつ選んでアクションを実行していきます。

ルールはシンプルで遊びやすく間口は広い割には、判断にジレンマはしっかりと生まれており、奥の深さもある好タイトルというのが第一印象。

ダイスというアイテムとエリアマジョリティというメカニクスが友好的に手を結んだ結果シンプルなシステムの中で実に見事にこのタイトルならではの面白さを演出しているなあ、と。

3人プレイ時のキングメーカー的問題などデリケートな部分でやや気になるところもありますが、アイデアや完成度などはプレイヤーを魅了するに十分かと。Positive-

このグループならではのコンポーネントの完成度も流石で、このクオリティは海外商業タイトルにもひけをとりませんね。

(それにしても星や星座が出てくるゲームはそれだけでロマンチックですなあ。)

“ブラッド・バウンド”(カレ・クレンツァー/FFG、アークライト/2013年)

二つの陣営に分かれて行う正体隠匿系、人狼系を9人で。

今回はお試しプレイということで手探りの中でのプレイ。各キャラクターに割り振られている特殊能力やそれに付随するアイテムの確認などを行いつつのセッション。

人狼というか正体隠匿というカテゴリーにおいて、なるほどこういうアプローチもあるのかという新鮮さは確かに。

参加者全員がルールおよび特殊能力に熟知した上でのセッションであれば本作の真価に迫れるのでしょうね。現時点での評価はNegative

思い切った収束性の良さも本作ならでは、という感じはしました。

“写本と修道士ダイスゲーム”(スティーブ・フィン/ドクター・フィンズ・ゲーム/2012年)

“ビブリオス”としてリメイクされた米国の同人タイトル“写本と修道士”のダイスゲーム版を5人で。

手番プレイヤーが計7つのダイスを振り、ゴールドダイスの出目に応じたフェイズを実行。リソースを得たり、それらリソースバリューの増減などを行いつつ資産を増やしていきます。

単独で先行してしまうと他者から分かりやすいほど妨害されてしまうので、息を殺して存在を消し、とは言えトップにそれとなく追随しその恩恵を享受しつつ、終了間際で如何に出し抜けるか、というのが勝利への道でしょうか。それと競り。ここはセンスというか嗅覚か。

元々のタイトルも斬新ながらコンパクトに上手くまとめられた佳作でしたが、本作もダイスゲームならではの遊びやすさとそこから発生するアピールも十分なまずまずの良作かと。

ややダレるのとプレイヤーを保護しない直接的なアクションの効果はユーロに慣れ親しんでいると刺激がやや強いような気も。評価はNegative+

完成度は十分でプレイは推奨できるレベルです。

“ペアペア連想ゲーム”(アンドレア・マイヤー、エリック・ニールセン/コスモス、アークライト/2004年)

久しぶりに“7人リンク”。いまだに自分の中で7人プレイ時のベストゲームはこれ。

ヒントを出すことで相手にのみ自分がペアであることを伝えるコミュニケーションゲームの秀作。

好き嫌いは分かれるかもしれませんが、未プレイのままスルーで終わらすのは勿体ない一作で評価はPositive

今回のセッションで議論になったのですが得点は非公開がいいと僕は思います。本作の問題点のひとつがこれで解消できるかと。

“プロスペリティ”(ライナー・クニツィア、セバスチャン・ブリーズデイル/イスタリ/2013年)

先日の初プレイの印象が良く早速のリプレイ。

箱庭のように非常にコンパクトにまとめられた都市(国家)発展ゲーム。

手番毎に公開される1枚のタイルがゲームに揺らぎをもたらし、また同時に予測できない未来を少しづつ確立していくという構図。

最近の傾向に則り、インタラクションは薄くソロプレイ感強め。各自がメインボードに居並ぶ各タイルと個人ボードの状況を見比べながらああでもない、こうでもないとジレンマに頭を悩ませることの快楽。

ここまでパラメータ管理メインなのに殺伐とした感覚がないのは何故なのかとか、どうにもクニツィアらしくないとかいろいろひっかかってて、まあこれはブリーズデイル主導のせいか、あるいはふたりの化学変化の結果かとも思ってますが…。

収束性の良さが素晴らしい。前回同様Positiveと評価。

繁栄点を重視し、前回よりも上手く回せて勝利できたのも非常に嬉しかったです。

“トップ・バナナ”(ジム・ウィンスロウ/シュミット/2002年)

子供向けゲームの皮を被った多人数アブストラクト、“トップ・バナナ”。4人。

立体的でカラフルなコンポーネントにまずは目が行きますし、その愛嬌のある猿コマから牧歌的でのどかな和気藹々としたゲームかと思いきや(いやある意味実際その通りなんですがw)、大人同士だと熱い頭脳戦が展開されるガチガチの良質アブストラクト。

変形双六の一種ともとれる、こんなありふれていそうなメカニクスはどこにでも転がっていそうな気もしましたが、このコンポーネントとセットで来られるとオリジナリティ感がアップするのですからそういう意味でもやはりボードゲームにとってコンポーネントは重要な要素なのかな、とか。

感想戦ではスタP有利説が有力で、僕自身も同意見。ここが崩せるかどうかで今後の評価が変わってきそうです。

まだ見えない部分も多々ありますが評価はPositive-

ワンプレイの価値は間違いなくあったと12年前のこんなゲームに僕のようなフリークが思ってしまうのですからテーブルゲームはやめられないのです。

“ひつじグーグーグー”(ブルーノ・カタラ/ハリケーン/2013年)

カタラによる新作カードゲーム。4人。

降順または昇順に手札を場にプレイしていく我慢比べ。

最初はまあ普通のカードゲームかなくらいの印象でしたが、セッションを進めていくうちに、如何に場札の状況を自分の手札と相性の良い状態、つまり手札をプレイしやすい状態にもっていくか、そのマネジメントがひとつの肝なんだと思い始めてから評価が上昇。

少ないながらもリスクのある狼カードや一部の特殊カードも上記のマネジメントに程よいスパイスとなっており、このあたり流石はカタラ。

狼カードがプレイされた時のシャッフル等の処理でセッションの速度が一時的に落ちることや終了フラグが立つ75点という得点設定がやや長すぎるという印象はマイナスながらリプレイバリューのある体力は持ち合わせているようでPositive-と評価。

ホビージャパンの添付和訳ルールには致命的なエラーがありますのでプレイの際はご注意を。(この点に関しましては公式ブログで告知されています。)

それにしてもカタラはなぜ75点に設定したのだろう。(どうにも長すぎる気が拭い去れない…。)



以上9タイトルを一日かけて存分に楽しみました。

この日は小学生2名を含む総参加者18名と久々のにぎわい。参加していただいたみなさんお疲れ様でした。また同卓した際はよろしくお願いいたします。(^^)

2014/02/18

UDA土曜ゲーム会('14/02/15)

毎月恒例のUDA土曜ゲーム会です。

この日の参加者は僕を含め6人。途中で参加プレイヤーの入替えを行い、常時1卓を4人で囲む形で終日テーブルゲームを楽しむ、実に充実した時間を過ごすことができました。

プレイできたゲームについて簡単な感想、印象、雑感などについてこちらにてまとめておこうと思います。

“カイヴァイ”(ヘルゲ&アンゼルム・オシュテルターグ/プフィフィカス/2005年)

この日は9年前に発表された本作から開始。

南洋諸島群を舞台に釣りや行商を行い勝利点の獲得を行っていくやや重めのゲーマー向けユーロ。

流通量が少なかったせいか国内でのプレイログをあまり見かけることのないややマイナーなタイトルですが、システムの完成度は高く、プレイできたこと自体が収穫だったかと。

お金等の原資を使用しないラウンド開始時の競りで手番順や建物の建築コスト、船の移動力などの諸要素が同時に決定されることや、まるでワーカープレイスメントの原型のようなアクションの選択のメカニクス(あとになればなるほどコストが高くなるこのメカニクスはまるで最近の“炭坑讃歌”のよう!)などは最新のゲームに慣れ親しんだ2014年の今の目で見ても十分に先鋭的で、非常に刺激的。

ゲーム自体は非常に繊細な計画性の要求される重厚なマネジメントゲーム。運要素は釣果を決定するダイスロールのみで、ゲーム全体の印象はソリッドで鋭い刃。ちょっとした油断やミスが後々まで響いてくるようで、少なくない要素の量もあり、プレイヤーに対するハードルの高さはけして低くはないものかと。

全体的にシステムがかっちりと固まっているせいもあり、マネジメントの結果には言い訳の余地はなく、また広いようでいて実は窮屈な狭いマップやアクションに必要なトークンという基本的なリソースの入手すら容易ではないことからプレイ中の空気は間違いなくヘビー。息をするのもやっとという感じのマゾヒスティックなゲームでした。まあこの手の緻密でハードな本格的ボードゲームが好きな人には十分な訴求力のあるものかもしれません。

初版と二版の二つのルールがあるようですが今回は全8ラウンドの二版ルールでのセッションでした。にも関わらず約4時間の長丁場となりました。その点の収束性の悪さも気になって評価はPositive-

得点としては最下位に終わり残念。鋭すぎる刃を受けきるに十分なスキルを僕は持ち合わせていませんでしたw ただゲーム自体の出来は間違いなく高く、これでもう少し収束性が良ければリプレイバリューも高くなるのにな、といった印象にて終了。

“ゴールデン・ホーン”(レオ・コロヴィーニ/ピアトニク/2013年)

ハードゲームに疲弊した(笑)心身をシンプルなピュアユーロで癒そうと午後はこのタイトルから。

コロヴィーニ&ピアトニクというある意味不安材料が束になっている(失礼w)イメージから当初は期待薄の本作でしたが、どうも評判が上々なこともあり、なによりシンプルなピュアユーロなら一度はやらねばとこの日ついに立卓。

もうルールは本当に分かりやすくて、ヴェニスとコンスタンチノープルをつなぐ海路を船を使って物資を運搬し勝利点を獲得していきます。

しかしこの海路が曲者で、マゼラン海峡もかくやと思われるほどの狭路(幅は船1隻分のみ!)ながら、しかも往来する船は忽然と消えたかと思うとまた現れるという超常現象が茶飯事。この海域にはワームホールでも存在しているのでしょうか。(というのは上段半分ですがまあプレイして貰えれば分かりますw)

シンプルで完成されたルール(そして立体的かつ実用的なコンポーネント)で作り上げられた良質なピュアユーロの美しさがここに。45分で終わる素晴らしいファミリーゲームで評価はPositive。コロヴィーニのデザイン美学すら感じました(がそれは考えすぎでしょうかねw いや僕が悪かったです、コロヴィーニ!)。

“こびとのくつや”(山田空太/imagine GAMES/2013年)

これで2回目のプレイとなる国産同人カードゲーム。

気になることがあってくすぶっていたのもあって(そういう“ひっかかり”がリプレイの動機になることが僕の場合多い)今回のリプレイに。

やはりインストのハードルが高めの“練り練り”セットコレクション。

プレイヤーが手番に行うのはパスを含まない4つのアクションの中のひとつ。アクションによってはその先に更なる選択も用意されており、またアクションの内容自体が直感的に理解しにくいテクニカル的な内容のせいもあるのでしょう、最初はどのようにプレイすればよいのかが分かりにくいゲーム。

また大きく3種類に分けられるカードの内容も同じ内容のものが少なく、レアリティにも差が設けてあり、ゲームの全体像は平明に見渡すことがやや難しい初心者お断りタイトルではないかと。

今回が2回目のプレイだったせいか、初回プレイ時には見えなかった本作の奥深さ、取り得る戦略の幅の広さや各プレイヤーへの目配せの必要性、そういったものから生まれ得る本作ならではの面白みを感じることができたのが最大の収穫でした。

運要素の強さがいかほどかはまだ見えないけれど、それを上回ってプレイヤーのスキルに勝敗は依存している印象が強く、それも良いかと。

間口の狭さは否定できず評価はPositive-。冒険を恐れない、実に技巧的なゲームデザインだと思っています。

“パルミラ”(ライナー・クニツィア/egシュピーレ/1996年)

クニツィアの18年前の作品。リメイク作“モトリーフールの安く買って高く売れ”の方が(インパクトの大きさもあって)タイトルは有名かも。

手番では壺の売買を行い(パスも可)、その後で手札をプレイ(こちらは義務)する。じつにシンプルな相場コントロールのメカニクスがエンジン。

収束性よく、また適度な相場への介入感覚は良質で、全体的にはよくまとめられた、流石はクニツィアと思える佳作。

18年前のものとは思えない高い耐久性にも驚くが、個人的好みで言えば本作の捉えどころのなさ、ぼんやりとしてはっきり形の見えない全体像が僕に合わないサイドのクニツィアで、個人的印象はあまり、という感じ。ルールの解釈をめぐり議論が分かれてしまったこともあって評価はNegative。まあ個人的な好き嫌いはどうしようもない、というのはありますねw

“ビジネス”(シド・サクソン/リラックス/1998年)

古めのゲームをもうひとつ。16年前のサクソンのタイトル。

シンプルな競り&セットコレクションで、向こう3ラウンドにわたる短期的な将来の情報をもとに、プレイヤーは資本と株をマネジメントしていきます。

3、6、9、12月は配当がなぜか倍になる、またタイブレイクはダイス目勝負というのが伝統的なファミリーボードゲームっぽさを感じさせますが、この思い切ったデザインが握り競りによる一発勝負のダイナミズムにもマッチしており、これはこれでありという印象。

勝敗にこだわるなら高額配当時にいかに効率よく株を売却できるか、そのマネジメントにかかってきそうな気はします。

シンプルゆえにスタンダードたりえるひとつのサンプル。Positive-と評価。ワンプレイの価値はあるかと。

“プロスペリティ”(ライナー・クニツィア&セバスチャン・ブリーズデイル/イスタリ/2013年)

クニツィアとブリーズデイルによる師弟コンビによるイスタリからのエッセン新作を初プレイ。

建物を購入し国家を表す個人ボードに配置することで各種パラメータを管理する、まあよくあるタイプの都市(国家)発展ゲームですが、ファットになりがちなこの手のタイトルにしては全体がコンパクトに上手くまとめられており、にも関わらず取り得る選択肢も十分に用意されているあたりは素晴らしいかと。

おそらくシステムの骨子を担当したのはブリーズデイルの方ではないかと思われるほどクニツィアのデザインテイストは希薄で、まあ弟子にアドバイスする形でクニツィアが関与した結果このような秀作が生まれたような気が。

拡大再生産ということになると思うのですが、その成長曲線がストイックなまでに抑えられている印象で、アクションを実行しているにも関わらず、我が国家は本当に成長しているのだろうかという疑問から離れられないこの厳しいバランス感覚は全くもって正解で、つねにギリギリの緻密なマネジメントがもたらす緊張感と快楽から60分で収束するゲームながら十分なプレイ感が得られました。

ソロプレイ感の強い空気の中で、コツコツと一歩一歩的確に一手を刻んでいくことの快感がここに。リプレイバリューも高く、評価はPositive。これはエッセン5傑当落ライン上(どちらに転ぶかは今後のリプレイ次第か)。

ブリーズデイルは僕と相性の良いデザイナーなのかもしれません。これならこの作家の次作以降にも注目したいものです。

“エッベス”(クラウス・ガイス/パラティア・シュピーレ/2013年)

最後に本作で〆。昨年のエッセンで発表された話題のトリックテイク。

メインメカニクスは切り札ありのマストフォロートリックテイク。でここにプラス点や切り札などの各スート毎の役割がラウンドの進行と共に決定されていくという本作ならではの醍醐味を付加。

ラウンドの最初に各要素が決定されるトリックテイクは他にもありますが、このようにゲームの進行に伴うかたちで徐々に決定されていくというタイトルは他にもあったのでしょうか。とまれこのメカニクスが何とも言えない心地よい緊張感をもたらしており、シンプルながらきっちりとした良質のトリックテイクがもつ醍醐味をしっかり堪能できる良作。

またエッベス地方をテーマにとった渋くてクラシックなアートワークも本作のメカニクスと実によくマッチしており、スタンダードな大人のトリックテイクとして長くプレイされ得る可能性も秘めているかと。

まあとにかく僕はこのセンスあるシックなアートワークに一目惚れしてしまいましたねw

ということで評価はPositive-。手札が悪いときの逆転の可能性、マネジメント次第で如何に勝敗に絡めるか、この辺りが今後の研究課題でしょうか。



以上7セッションを一日にわたり堪能しました。まったくもってテーブルゲームのもたらす魅力からは離れられそうにありませんね。

お疲れ様でした。またの機会を。>参加者各位

2014/02/04

シュリンクを斬る!㉚ “プロミスト・ランド(Promised Land)”の巻

ボードゲーム、カードゲームの開封記事、今回で遂に30回目となりました。

今回は英国Ragner Brothersの“Promised Land”の箱を開けます。

クラウドファンディングにより目出度く発売が実現したゲーム本体がこちら。

キックスタート出資特典として付いてきたのがこの三点。

珍しい布製のゲームボード。

木製コマですね。これは木製コマファンには嬉しい!

シリアルナンバーと作者のサイン。全100個は希少では?

それではシュリンクに刃を入れます。

ぶすり!

切れ目からシュリンクを剥がします。ぺりぺり…。

ばさばさ。この瞬間!

表に回りばさばさ…。

はい、シュリンクの取り除かれたゲーム本体です。美しい!

ちょっと箱の大きさを比較してみました。縦の長さはアレア大箱とほぼ同サイズですが…

横の長さでこれだけの差があります。割と独特な型です。

僕の好きな英国のパブリッシャー、ラグナーブラザーズの堂々たるロゴ。

14歳以上、180分という表記からも歯応えのありそうなタイトルであることが予想されます。

裏面全景。

そそられますねw

アートワーク関係のクレジット。

おや、メイドインチャイナ、中国製です。コンポーネントが大丈夫か、ちょっと心配w

ややダメージが。まあこれくらいはしょうがない。

それでは箱を開けます。ぐぐぐ…。

ぱかっ!

まずは鮮やかなブルーの巾着袋が目に飛び込んできました。

巾着袋の中身です。

コマを立てる台座のパーツですね。木製コマを使用する場合不要であることが後で判明しました。

ダイスが4つ。赤いのが3つ、白いのが1つです。

つづいてカード。

袋を破きます。ばりばり。

カード類はこんな感じ。好きなテイストのイラストです。

サマリカードも2枚ありました。

その裏面。計4面でサマリは構成されています。

スコアシートですね。得点はいくつかの要素から入手できるようです。当然ながら最大プレイヤー6人分の枠が用意されています。

ルールブックはこちら。A5サイズかな、小さいものでした。

英語表記のみでした。

テキストが主体のルールブックでした。それほど分量は多くありません。

小袋もこのように8枚が付属。が私は使わず。

そしてパンチングシート。鮮やか!

全部で4枚ありました。やや反りが生じているのがわかるでしょうか。この辺がチャイナクオリティかw

にしても発色の美しいタイル群ですね。

こんなトークンを見ているとワクワクしてきます。

こちらは裏面。表裏で別のものが多い印象。

5分ほどで全てのタイルを打ち抜きました。非常に抜きやすかったのが印象的。ということで抜きやすさは五段階評価でA(良い)と認定。やるじゃないですか、中国製、おみそれしました。

アーティファクトタイルは全て無造作にブルーの巾着へ。

残りのタイルを小袋に仕分け。

ロイヤルトークンですね。ジャスティス!カッコいい!

右側の黄色いタイル全9枚も木製コマで代用できることが後に判明。

ヘブライ人や異教徒を表すユニット。表裏が別のペアになっています。このアートワークも何気に好みだなあ。

お金は三種類。価値に差はなく、区別があるのみのようです。

最後に箱に残っていたコンポーネントがこのゲームボード。

拡げてみました。かなりの大きさ!

味のある統一されたアートワークが素晴らしい。

システム、メカニクスへの想像を掻き立てられます。面白そう!

紀元前1250~587年の中東という舞台設定にもそそられるものが…。

裏面は黒一色でした。まあこんなもんでしょう。(何が?)

木製パーツも並べてみましたよ。やや大きめの存在感十分の木製コマです。

鮮やかですね。

中国製ですがクオリティは十分高く、当初の心配は全くの杞憂に終わりました。

そしてこちらも小袋に仕分け。

箱の側面にはこのようなフレーバーテキストがありました。

雰囲気ばっちりですね。

それでは箱にしまっていきます。

まずは特典関係。

そしてボード。

ルールブックとスコアパッドをのせる。

残りのコンポーネントをばっさりと放り込む!ちょっと心配しましたが収まりそうですね。

この辺はほんとに大雑把w

蓋もぴったりと収まりました。

ゆるいペアを組む(といっても勝者は1人ですが)陣取りの新作ボードゲームの登場です。コンポーネントも充実していましたし、プレイが楽しみですね。