選考基準として新作(2012年および2013年発表のもの)、国産同人、有名なもの(ここの判断は甚だ曖昧ですw)は外しました。
本当は10タイトルに絞りたかったのですが、選出は困難で、結局妥協して全13タイトルに。それでも取り上げたいタイトルは他にも少なくありません。
ゲームとしてつまらなかったものも一部入っていますが、そういう趣旨のものであるということで、単なる個人的な記録のひとつとしてお読みいただければと思います。
タイトルに順位はなく、時系列で古いものから紹介します。
“アッシリア”(エマニエール・オルネッラ/イスタリゲームズ/2009年)(1月5日UDAにてプレイ)
オルネッラによる2009年のエッセン新作。長い間積んでいたビッグタイトルをようやく崩せました。
リソース管理とやや緩めの陣取り。時間がかかるのがネックですが完成度は高く、プレイできた意義はあったな、と当時思ったものです。
同好の士がいれば今後も立卓しうる力はあると思っています。
“理性の時代”(マーティン・ワレス/シュピールワークス/2011年)(3月8日UDAにてプレイ)
“帝国の闘争”のワレス自身によるリメイク。元のタイトルにあった煩雑な部分がすっきりとリファインされており、プレイアビリティが向上。その分元タイトルにあったフリーク受けの良い濃厚な成分が薄まったという声もあるようですが。
これが“後期ワレス”なら“後期ワレス”も悪くない、のですがこれ(と“エアロプレーンズ”?)しかガツンとくるワレスは今のところ…。
いやぁ、でも面白かったなぁ。流通の問題からか、あまり話題になっていないのが残念。
“スクウェア・オン・セール”(澤田大樹/レイトとこぶしゲームクラブ/2005年)(3月20日越前市(福井)ボードゲームの会にてプレイ)
厳密には国産同人枠なんでしょうけどプレイできた記念もあって例外的に選出せざるを得なかった(笑)。日本人作家によるキレキレのデザインが楽しめる。
メカニクスは大雑把にいえばリバーシと特徴的な競り。こんなゲームが今から8年も前に発表されていたのかと。
2009年にB2Fから再版されていますがこちらも絶版で、(人は選ぶかもしれませんが)今こそ再々版を是非乞いたい所存!
“マラケシュ”(ステファン・ドラ/コスモス/1996年)(3月30日UDAにてプレイ)
“カタンの開拓者”の一年後に同じパブリッシャーのコスモスから発表。
ドラのデザインセンスの素晴らしさが堪能できる非常に優れたドイツゲームで、いわゆる“ピュアユーロ”が好きなら本作をスルーするのは勿体ないかと。
家族でも楽しめる間口の広さも魅力。
個人的にはドイツゲームの懐の深さを再認識させられた一作でした。
“恐怖の光”(ギュンター・ブルクハルト/コスモス/2006年)(3月30日UDAにてプレイ)
ブルクハルトここにあり、とばかりに変態的な彼のゲームデザインの一端を垣間見ることができる、こねくりまわされたカードゲーム。
BGGに公開されていた英語訳ルールとPGDBに登録されていたカード和訳を参考に、自作シールで環境を整えてプレイにこぎつけた記憶も既に懐かしい。
ゲーム自体ではなくゲームデザインの妙味そのものを楽しめる(この辺考え始めると長い議論になりそう)人向けという気も。
“コーポレーション”(エリック・ソロモン/ネスターゲームズ/2009年)(6月15日UDAにてプレイ)
“シグマファイル”や“ビラボング”で知られる英国人デザイナー、エリック・ソロモンがスペインのアブストラクト専門パブリッシャーのネスターゲームズから発表している、彼らしい一風変わったデザイン、インタラクションが楽しめるストレンジゲーム。
軽妙なアートワークと奇妙なメカニクスのマッチングが非常に印象的だった一作。
本作をプレイした後僕はネスターゲームズに発注するようになった。
“メディナ”(ステファン・ドラ/ハンスイムグリュック/2001年)(7月6日UDAにてプレイ)
ドラによる多人数アブストラクトの名作。これも積みっぱなしだったのだがようやく崩せた。
存在感十分の大きめの木製コマがどっさりと入っており、これらのコマを使って切れ味鋭いアブストラクトがたっぷりと味わえる至福の時間だった。
リプレイにも十分耐えうるし、今後もプレイを重ねたい一作。隙はない。
“カラット”(ディルク・ヘン/dbシュピーレ/1993年)(8月17日UDAにてプレイ)
後にヘン自身がクィーンから“庭師の技”としてリメイクすることになる、彼がまだメジャーデビューする前に自身がいわば自費出版した一作。
コンポーネントは流石にチープ(とはいえ終了時の盤面は美しい)だが、ゲームデザインは発表から20年経った現在でも十分楽しめる完成度の高さで、後々のリメイクも十分意義のあることだったのだな、と。
ヘンもまた隅に置けないデザイナーだな、と思う。
“ツイクスト”(アレックス・ランドルフ/3M/1961年)(9月6日神戸トリックプレイにてプレイ)
現代のテーブルゲームをたっぷりとやりこんでいるすれっからしの私のようなフリークの脳髄にガツンと大きな衝撃をかました、50年以上前の巨匠ランドルフによる名作。
プレイ後入手すべく各方面を物色していたが折よく駿河屋にてコスモス版を入手できた。
自身がやりこんでいた“囲碁”の影響を感じずにはいられない2人用アブストラクトで、ファンによる定石の研究は今も続いている。
“チップ・チップ・フラー”(クラウス・トイバー/クレー/2001年)(9月6日神戸トリックプレイにてプレイ)
トイバーによる玉手箱をひっくり返したような、シンプルながら非常に楽しい、ギミック、アクション、デクスタリティ。
大人でも十分楽しめるのはそのギミックの完成度ならではなのだろう。
こちらも神戸から帰郷後入手すべくあちらこちらを探した思い出の一作。(とこれを書いていたらまたやりたくなってきたなぁw)
“ジュピターのもとに”(ミハエル・フェルドカッター/コスモス/2008年)(9月21日UDAにてプレイ)
針の穴に糸を通すような緊張感を強いられる、痺れるようなトリックテイク。
フェルドカッターは僕には合わないという認識を百万光年の彼方へと放り投げた、マイベストトリテベスト10クラスの秀作。
最初はルールが多すぎるような気がするかもしれないが、無駄は一切なく、完成度は非常に高い。トリテ好きならマスト。
“ナミビア”(ブライアン・ロブソン/ミュックシュピーレ/2010年)(10月13日UDAにてプレイ)
2013年度個人的残念大賞はこれか。
システムはダイヤの原石を思わせるところもあり、ブラッシュアップを重ねればエッセン一線級のタイトルにもなり得たのではないか、と。
あとコンポーネントのサイズ設計が致命的に失敗している。これほどストレスのかかるプレイを強いられたコンポーネントも久しぶりだった。
因みにボードゲームブログで有名なふうかさんから譲っていただいたもの。(密かな自慢w)
“落水邸物語”(佐伯拓也/ヤポンブランド/2005年)(11月3日東京ラ管連にてプレイ)
これも厳密には国産同人枠だがもう時効ということで(笑)。
日本人デザイナーによる、“将来を作る”(量子トリテ!?)、変則的トリックテイク。
マネジメントはどこまで可能かなどの論点をめぐって、感想戦が必ず白熱する(ということは良いゲームだということだw)まったく憎めないタイトルで、鮮烈な印象を残した。
出不精の私ゆえ東京での初めてのオープンゲーム会参加もこの日だったなぁ。
以上早足で13タイトルを紹介しました。
この他レギュレーション他により選に漏れたのが下記のタイトルたち。
・マグナグレキア
・グランドフロア
・バヌアツ
・ウムコプフウントクラーゲン
・マカバナ
・ピサ
・俗語論
・ヒマラヤ
・ウナニモ
・ドラダ etc.
2014年も面白いボードゲームをたっぷりとプレイしたいものです。謝々!
選に漏れたゲームも、漏れた理由を一言書き添えて
返信削除一覧にしたものも読んでみたいです。
ハイライフさん
削除コメントありがとうございます。
了解です。選に漏れたタイトルについての紹介、前向きに検討してみますね。