午後12時半から午後6時半まで3人で2タイトルをプレイしました。
“アメリゴ”(シュテファン・フェルト/クィーン/2013年)
昨年のエッセンにて発表されたフェルトの目下の最新作。これが3回目のプレイ。
アメリカ大陸を発見したアメリゴ・ヴェスプッチの海洋探検がテーマの開拓ゲームで、メカニクスとしてはモジュラーボードや陣取り、セットコレクションなど。
最近のフェルトというと“ボラボラ”、“リアルト”、“ブルッヘ”とまあ悪くはないけれど、どれも一長一短があって、何度もリプレイしたくなる訴求力には今一つ欠けるという印象がありましたが、本作は久しぶりのクリーンヒットというのが僕の評価。
変にいじくられたようなルールが皆無で、全体的に素直で分かりやすいシステムが明るい海洋のテーマともよくマッチングしているかな、と。
キューブタワーをシステムの中心に据え、そこから無理のない範囲で各種要素がうまく有機的に無駄なくまとめられている完成度の高い一作で、これはもちろんフェルト自身の手腕もさることながら、と同時にボックス背面にクレジットされているようにクィーンチームの十分に時間の割かれたデベロップ、しっかりとした手抜きのない編集の賜物ではないかと。
勝敗を決する最大の要素、ゲームメイクのメインになると思われる開拓地の陣取りは熱い駆引きの応酬で、そこに特殊タイルによる各プレイヤーのステータスの差別化や手番順をめぐる攻防などの各種要素がその中心となる舞台を盛り上げることにうまく貢献しているという印象。
よくいわれることが多いフェルト特有の胃がキリキリと痛むような、マネジメントに対するプレッシャーはやや希薄(とはいえ海賊の圧力は十分だと感じましたが)ですが、勝つためには他者に秀でたマネジメントの手腕が必要で、凌ぎの削り合いがもたらす悩ましさ、プレッシャーは十分かと。
キューブタワーをうまく活かしたプレイアビリティのすこぶる高いフェルトの快作で評価はPositive。
ここにあるのは間違いなく戦略的ボードゲームならではの醍醐味。
“スパイリウム”(ウィリアム・アティア/イスタリ/2013年)
こちらも昨年のエッセン新作。あの“ケイラス”の作者による最新作。
9枚のカードから構成される“市場”、その中の2枚の間に労働者を配置するという非常に興味深いメカニクスが中心に据えられた注目の一作。
運要素が低く抑えられた卓上での白熱する頭脳戦はフランスのパブリッシャー、イスタリここにありと思わせるに十分なスマートさ。
お金もスパイリウムも労働者も常にカツカツという厳しいバランスで(しかしこれが素晴らしいバランスなんだけれど)、要求される高いマネジメント能力にヒイヒイ言っている間にあっという間に全6ラウンドが過ぎ去っているという。
3人だとやはり4人よりはインタラクションが弱まり、ソロプレイ感が強めで、メカニクスがインタラクションありきのこのタイトルの場合4人戦の方が面白い気がしました。
初プレイのプレイヤーの見事な指し回しの前に完敗。
収束性よくピリッとした一切の無駄のない実に完成度の高い一作。ただ3人戦だとマイナスを付けてPositive-というのが僕の評価。間違いなくいいゲームですけどね。
以上2ゲームをしっかり堪能し、アフターの岩本屋へ。
スタンプグラフィティでデザイナーとしてデビューされたjun1sさんと昨今のボードゲーム事情についてそれぞれの思いをじっくり話し込みました。
参加していただいた2名の方に感謝。急追来れなくなったYさん、残念でしたがまたじっくり卓を囲みましょう。
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