ここ福井は越前市で最高気温27度を記録した秋晴れの快晴の一日、窓を開放し終日たっぷりとテーブルゲームを楽しみました。
プレイできたタイトルについて雑感等をこちらにアップしておきます。
“戦国時代”(ライナー・クニツィア/ファンタジー・フライト/2014年)
まずはこのクニツィアの新作から。
場に並べられた城をダイスの出目によって陥落させ勝利点として入手します。
インスト10分の非常に分かりやすいダイスロール系。実プレイは30分ほど。
特殊カード(能力)の類いが一切登場しないのが潔く、またそれゆえ実にプレイしやすいという印象。
自手番での第一ロールの出目で最も確率的に低い(というか希少価値が高いというか)組合せからその手番で標的とする城を決定したら後はダイスロールの出目次第(これがセオリーと思われる)ということで運要素は強い。一言でいうと“人事を尽くして天命を待つ”タイプ。標的とする城を決定した後はプレイヤーの意志が介入する余地は少なく、ジレンマは薄いというのが現時点での僕の解釈。Neutral+。
シンプルなほぼダイスロールのみのゲームを楽しめるかどうかで評価は分かれそう。ダイスロールの結果に一喜一憂できる面子で卓を囲めれば盛り上がれるタイトルで、この日のセッションがそうだった。
言語依存はほぼないですが明朝体の漢字が載ったカードは悪くない。
“ビュッフェのたたかい”(マーティン・ワレス/コスモス/2011年)
名作“ウントチュース”のワレス自身によるリメイク。
カードにすべてが集約され一元化されていた前作がハンドマネジメントとしてのカードと勝利点としてのタイルに分けられた点が最大の変更点。また勝利点となるタイルがカテゴリ分けされたことで各プレイヤーの諸事情がインタラクションを産みだしており、読み合いや駆引きの奥深さは今作の方が上。
シンプルゆえにジレンマが引き立つカード版かより豊かな駆引きの楽しめるボード版か…プレイヤーは選択する幅が広がったといえるかも。
ワレスというとどうしても重量級の濃い作品のイメージが強いけれど、こういうファミリーストラテジを作らせても一級品で、本作からもデザイナーワレスの非凡な才能を感じる。
余計なものが一切なく、ゲームの楽しさに没入できるプレイアビリティの高さも好印象で、純粋にドイツゲームとしての到達点も相当高いという印象。Positive。
5人というプレイ人数も良かったに違いない。この日のベスト。
“GO STOP”(沢田大樹/レイトとこぶしゲームクラブ/2005年)
海外で高く評価された日本人デザイナー作のシンプルなバッティング系カードゲーム。6人。
永らく入手の難しい状態が続いていたオリジナルに代わり、今春国内パブリッシャーにより再版されたアートワークも美しい2014年バージョンで。
1から10まである得点カードの獲得をめざし、“GO”か“STOP”のカードをプロットするというシンプルなもの。ただしバッティングした場合は無効となることから厳しいとさえいえる非情な心理戦が始まる。
ほとんどフレーバーらしきものがない骨組みだけの簡素ともいえるシンプルなルールのみのゲームで、それゆえ圧倒的なまでの心理戦に向き合わざるをえないという構図。
こんなシステム原理主義のお手本のようなゲームの作者が日本人であることに我々は胸を張ってもいいのでは、という思いも。Positive-。
極端ともいえる淡泊さと背水の陣ともいえる心理戦に逃げ出したくなるか、切れ味一本勝負の潔さに惚れ惚れとするか、ゲームに参加するプレイヤーもはっきり二分されそう。僕は後者。こういう作品が時の風化に耐え、後世まで残るような気がする。
“チケット・トゥ・ライド~インド”(アラン・ムーン/デイズ・オブ・ワンダー/2011年)
名作の拡張マップ。4人。
“マンダラ”とネーミングされた新しい得点計算方法が独特で、1枚の行先チケットを異なる2つのルートでつなぐことでボーナス点が得られるというもの。
がこれがなかなかに難しく、ぎゅぎゅっと線路が集中した中央部は特に激戦区で、自分の行先チケットや盤面の状況とにらめっこして吟味した結果これは無理と判断しマンダラボーナスは無視してシンプルに行先チケットの1枚でも多い達成を目指しました。
マンダラでいくかノーマルにチケットでいくか、大きく二つに選択を迫られるやや上級者向けのマップというのが僕の印象。
馴染みのないインドの地名との照らし合わせがプレイアビリティに影を及ぼしますが、ハンドマネジメントとネットワークビルドの幸福な出会いがもたらす本作ならではの醍醐味は健在で、その高い完成度を再確認するなど。Positive-。
プレイ後まだ未プレイの拡張マップもすべてプレイしたくなりました。
カラフルな列車コマがルートに則りボード上にそれぞれの軌跡を形作っていく光景が大好きなんですよね。
“斬サムライソード”(エミリアーノ・シアーラ/dVジョーキ/2012年)
秘密裏に3つの陣営に分かれて行うチーム戦。5人。
手札をプレイすることで敵対すると思われるプレイヤーのライフを削っていくシンプルな殴り合いがメインとなるテキスト中心のカードゲーム。
テキストの効果にそれほど派手なものはなく、フレーバーを楽しみつつワイワイ盛り上がるのが本作の真っ当な楽しみ方か。
いずれの陣営に属するのか、プレイヤーのアクションからもう少しヒントが与えられる(そして陣営の類推が的中することにメリットがある)方が僕の好みではありますが、まあこれはこれで十分ありで、“ごっこ遊び”としてのパーティゲームと考えればまずまずの完成度というのが僕の印象。Neutral+。
“居合い”と“残心”を覚えた“武蔵”が無双の強さで盛り上がりました。(しかしそれゆえに狙われ結局は終了フラグをオンにしてしまいましたがw)
この他私の参加しなかった卓では以下のようなタイトルが立卓されていました。
“バサリカードゲーム”ですね。カードゲームとして手軽に“バサリ”が楽しめるようになった佳作です。
もう間もなく日本語版が発売される見込みの“グラスロード”です。これはドイツ語版。けして重量級というほどでもないプレイアビリティの高いタイトルのようでした。
以上この日もたっぷりと堪能した一日でした。参加していただいたみなさんに謝意を。また次回、お相手宜しくお願いいたします。
0 件のコメント:
コメントを投稿