2014/08/22

2014年夏季富山ゲーム会遠征記(&ysk氏宅ボードゲーム棚公開)('14/08/12,13)

夏季休暇を利用して二日間にわたり北陸は富山県内各所のゲーム会にお邪魔してきました。

2日間でプレイできたタイトルについて簡単に感想をアップしておきます。


まずは1日目、“なべ”さんが主催をなされている、今年で創立8周年を迎える北陸では老舗のオープンゲームサークル“魚津ボードゲームクラブ”の平日ゲーム会に参加させていただきました。平日の午後6時半からの開催ながらこの日は7人の参加者で終始2卓立っていました。なお“魚津ボードゲームクラブ”のウェブサイトはこちらです。→http://ubc2006.at.webry.info/

“襲ノ色目”(桜遊庵/2014年)

オーソドックスで本格的なセットコレクションカードゲーム。国産同人。

手番では必ず3枚(3人プレイ時)の中から1枚を補充かつ手札の並び替えはできない“ボーナンザ式”という制約が実に特徴的で、必然的に場札の並びから将来の入手カードの予測も視野に入れたマネジメントが要求されます。

役の完成による得点の獲得は早い者勝ちで、すべての役において得点が保証されているわけではない点が第2の特徴。

この2本の柱を軸にした本格的なセットコレクションが楽しめる秀作。コツコツと小銭を稼ぐか、リスクを背負って大金の入手を目論むか、すべてはプレイヤーの判断に任されます。

すっきりとした和風のアートワークがまたセンスの良さを感じさせ、全体的な完成度の高さはかなりのもの。Positive

勝敗の行方がインタラクションに左右されるウェイトはやや大きいとも思われ、その点を許容できるかで印象も変わってくるかも。

“グラナダ”(ディルク・ヘン/クイーン/2009年)

ヘン自身によるSDJ受賞作“アルハンブラ”のリメイク。

4種の通貨が存在し、お釣りなしでタイルを購入できた場合ボーナスとして1アクションが貰えるというオリジナルの特徴的なメカニクスはそのまま継承しつつ、手が入ったのは得点の計算方法で、1位がそのタイルの全プレイ枚数、2位が1位の枚数、3位が…、というもの。

これにより少ない投資でも大量の得点を獲得することも場合によっては可能となっており、戦略性にやや重きを置いた調整はゲーマー向けのリメイクが成されたと見ることも可能か。

欲を言えばどのプレイヤーがどのタイルを何枚プレイしているのか一目で分かる表のようなものが欲しかったところ。美しいイラストが施されたメインボードは確かに素晴らしいが、折れ曲がったクラマーフレーム等々贅沢なレイアウトは一考する余地はなかったものかと苦言もw

まあそういう不満もゲームとしての出来が十分ゆえのもので、評価はPositive-

個人的には収束性にやや不満も。もう少し早く終われると更に良かったか。


以上2ゲームにて魚津を後にしました。

富山市内のホテルに午後10時半頃チェックインし、翌日のゲーム会に備えて早めの就寝へ。


明けて翌13日は遠方へのゲーム会へも精力的に参加されていらっしゃるysk氏の自宅ゲーム会“北陸本線沿線ゲーム会”へと今回初参加してきました。ysk氏は自身でも魅力的なオープンゲーム会をいくつか主催されており、特に北陸在中のボードゲーム愛好者であれば既にお世話になられた方もいらっしゃれば、今後お世話になられるであろう方もいらっしゃるかもしれませんね。何はともあれ北陸のボードゲーマーは要注目でしょう。告知がなされるブログはこちらです。→http://mmysk.hatenablog.com/

“コロニアリズム”(スコット・W・リーブラット/シュピールワークス/2013年)

帝国主義の時代を背景にした世界規模での陣取りゲームの最新作。

シンプルな5つのアクションとハンドマネジメントがメインとなるメカニクスで、カードにテキストこそあれ、全体的には比較的見通しの良いもの。

カードの効果についても納得できないようなバランスの悪いものはなく、また戦争の処理についても直接的な殴り合いの感覚は希薄で、比較的コツコツと地歩を固めていくようなマネジメントの妙味も。とはいえ戦力を表す手持ちのディスク枚数が絶妙の量で、ここぞという時に足りなくなることもあるので、その点には要注意。

勝利点となる植民地からのリソースの搾取については原住民勢力の存在もあって、ここでは他プレイヤーとのちょっとした協力関係のような感覚もあり、マルチ特有の殴り合いのギスギスした空気よりはマネジメント重視のクレバーな雰囲気が個人的にはプラス補正。Neutral+

この手の植民地帝国主義をテーマにしたタイトルは“ディプロマシー”に端を発するのでしょうかね。その辺りに興味を持ったものでBGGでフリークがリストにしていないかと当たってみたのですがその時は見つからず残念でした。(でも多分ありそうな気はするw)

“スチーム”(マーティン・ワレス/ファランクス/2009年)

ワレス自身による“蒸気の時代”のリメイクとも取れますが、個人的には同作品と氏の鉄道ゲームを代表する双璧をなす一作、片割れと取りたいところ。

運要素のない重厚な本格鉄道ゲームながらルール自体が割と素直なせいか、存外プレイアビリティは高く、こちらの予想に反して、ルールの運用に関してプレイヤーに対してかかる負担の少なさがまずは好印象。

ただマネジメントに関しては“緻密”そのものが要求されるため、勝つためには繊細な注意力と時には大胆な決断も必要で、キリキリとした競技性の高さには他の追随を許さないような、本作特有の感覚さえ。

単独で採算性の高い路線を建設し利益を独占するか、広く他者と絡み手広く利益を得ていくのか、プレイヤーに委ねられた豊富な方針の取り様もまた魅力的で、切れ味の鋭いワレスならではのデザインの手腕をたっぷりと味わえる至高の一作かと。Positive+

くどいようですが競技性は抜群に高いので初心者が経験豊富なプレイヤーに勝つのは難しいかもしれません。まあ最初は胸を借りるつもりでシステムやゲームの勝ち筋を理解するつもりで臨んでみてはいかがでしょうか。初回プレイで上級者にぺしぺしにされて悪いイメージだけが残り、本作に見向きもしなくなってしまうのは全くもって勿体ないですよ。

“ボブズ・ハット”(アラン・ムーン/アバクス/2001年)

お手軽なビッド系マストフォロートリックテイク。

ビッド系ながら厳密な数値での予想ではなく、あくまでも相対的なものであること、また一部のカードを獲得した場合プラスマイナス10点が発生することなどから、あくまでもプレイフィールは軽いのが特徴的。

一般的なカードゲームから本格的なトリックテイクへの橋渡し的な役割も担ってくれそうなポジションに位置するというのが僕の解釈で、これはこれで悪くはないかと。Neutral+

このプレイアビリティの高さは僕のムーンに対する印象とピタリ一致する。


以上重量級2タイトルが長いセッションとなったため3タイトルにてこの日のクローズ会は終了となりました。

ゲーム会終了後大量のボードゲームが所狭しと立ち並ぶyskさんのゲーム棚の撮影会となり(といってもカメラを手にしていたのは私だけでしたがw)、大量の写真をデジカメに納めさせていただきました。yskさんご本人にこちらのブログ記事での公開を快諾して頂けたので、簡単なコメントも付けつつ、ここにアップさせて頂きます。

納まりきれていませんがメインストリート(笑)的なもの。棚はこの5架に加え、写真に写っていない背後のスチール棚が1架、そして本来布団を敷いてベッドとするところにもゲームが居座っていたので実質的には6架分の量と言えるでしょうか。

では部分ごとに拡大して見ていきましょう。

唯一のスチール棚最上段。“ボトルインプ”は何語版?アバクスの“でっかい馬鈴薯”。

クニツィア“グランドナショナルダービー”ほか“ブレイキングアウェイ”、“ガーデン”、“じゅうたん商人”などレアもの多数。背後に見えるKNDは“バヌアツ”?

モスキートの“みんなで決めたこと”など。黒いエッガートは“ドルメンの神々”かと。最左のクイーンはなんだろう。

スチール棚最下段。ヘキサゲームズ“マネージャー”やクラマーの初版“フォーラムロマナム”が眩しい。左上の木箱は“オールドタウン”。最左の青っぽい箱が分らない。

メインストリート5架の一番左から。一際大きな箱、ハバ“クロンダイク”は私も未所持。

プチプチに包まれたままの“ルドフィール”。下段の黒い袋“スクエアオンセール”に垂涎。

“栄光ある演習”、“モダンアート”ハンス初版など。

メンスト2架目。アバクス薄箱シリーズや“ヒマラヤ”など。おや、ここにも“ルドフィール”が!

“キューバ拡張”、“シュリレシュテレ”など。“ワズバラズ”も。

最下段には“アベカエサル”、“ダイアモンド”、“さまよえるオランダ人”など古いタイトルが並ぶ。

メンスト3架目。温度湿度計はある意味ゲーム倉庫の必需品か。ピンクのピアトニクが分らない。“フェスティバル”がありますね。

クニツィア“ウィナーズサークル”とシャハト3部作のうち2タイトル。のこり1つは持ってないのかな?
“MIL”は僕も積みっぱの一作。

“ポートロワイヤル”、“フォードラゴンズ(邦題は“死者の日”?)”などトリテの名作が羨ましい。白い箱はハンマーワークス“ほんの気持ちです”。黄色い薄箱はあのアブストラクト双六かな?

“サンジミニャーノ”、クニツィアデビュー作の説がある“ゴールドラッシュ”、ローゼンベルクのトリテ“シュナッペンヤークト”など。

4架目最上段へ。“べーゼンシュピール”、“空中庭園”など。黒いのは“手本引き”か?

“王への請願”、リュイメーム版“メディチ”が眩しい。

“皇帝の影”は何語版だろう。その右2つが不明。日本人による変則的トリックテイク“落水邸物語”は“ミスボド”など東京のゲーム会でも何度か立卓したもの。

“ロストヴァレー”、ブルクハルト“命中”、ゴルトジーバー版“ウントチュース!”など。中央上部の黒い箱は“プレステル鼻のゲーム”?

キーシリーズ4作。シャハト“ジャンク”など。

メンストの最右棚最上段。横置きされているブック型はdbシュピールのヘンの何かでは。流石にこれだけじゃ分からないw

シャハト“ドライブ”。その下はトリテ“勝利と名誉”って邦題だったかな。これもレアですね。

“サンタフェ”や“フリンケピンケ”はプレミアもの。

イスタリのラインナップ。最左はなんだったっけ?

フリーゼの2F緑箱が並ぶ。ここに“サンチアゴ”が。ハンス版“メディナ”も。

そしてベッド部分。モスキート版“アラカルト”など新旧が入り乱れる中に入手難タイトルが無造作に並べられる。

“ファストフードフランチャイズ”、“アムステルダムの商人”、“ブラックロック城”その他こちらもレアもの多数。

“エレクションX”、“ブラックヴィエナ”、スプロッタ“アンティクイティ”。ピアトニク版クニツィア“古代ローマの新しいゲーム”も上部にチラリ。

ゴルトジーバーラインナップが並ぶ。“マックマルチ”など。

以上駆け足で紹介させて頂きました。新旧定番からレアなものまでが混然一体となった、こだわりのラインナップが一望できる垂涎のゲームラックでした。こういうゲーム棚を目の当りにするとこちらも大いに刺激を受けるんですよね。


こんな感じで富山を後に。お世話になった多くの皆さんに謝意を。ありがとうございました!

2 件のコメント:

  1. ゲーム会ではお世話になりました。遠路遥々有難うございました。

    ・4枚目:最左のクィーンは「シバのネックレス」です。
    ・5枚目:最左の青い箱は「ターフマスター」です。
    ・12枚目:ピンクのピアトニクは「トラウムランド」です。
    ・13枚目:シャハト鉄道三部作は一応持っていますね。
    ・18枚目:「皇帝の影」の右二つは「K2」と「フィレンツェ」ですね。
    ・19枚目:中央上部の黒い箱はデロンシュの「画商」です。
    ・21枚目:dbシュピールのは「カラット」です。
    ・24枚目:最左は「パプア」です。変則すごろく系ですね。

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    1. 早速のコメントと補足、ありがとうございます。
      この日は大変お世話になりました。ようやく自宅会に参加することができほっとしておりますw
      またゲーム会後の“ちゃるめらぐっぴー”のラーメンが美味しかったこともここに付記しておきます。
      またゲーム会でお会いした際はどうぞ宜しくお願い致します。

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