折角なのでここでしかプレイできそうにない、私も周りも未所持のゲームを中心にタイトルを選んだつもりです。
セレクタの大人向けブランド、Selecta NOBLEからの“Plan Quadrat”というゲームから開始。
2人用の完全情報型、アブストラクトゲームです。
手番には①壁を1枚配置(義務)し、②望むなら既に配置済みの壁をスライド(任意)させます。
完全に壁で囲まれたエリアができたら自分の領地となり、自コマを配置、マスの数だけ得点となります。
シンプルで明快なルールながら、うっかりしているとポロッと相手に領地を作られてしまう、油断のならない展開に注意をはらう必要のある、ピリッとした辛口のゲーム。
セレクタというとほとんど子供向けゲームばかり、というイメージがありましたが、このような個別のブランドを立てて、大人向けのタイトルも発表していたんですね。(ちなみにクレジットを確認したところ2005年製であることが分りました。)
フル木製のコンポーネントがまた素晴らしい出来で、セッション後、箱に用具が収納された本体はずっしりとした重みがあり、NOBLEの名に恥じない高級感を感じ取ることができました。
つづいてかねてよりプレイを夢見ていたアレックス・ランドルフの2人用アブストラクト、“トゥイクスト”を念願叶って初プレイ。
手番では任意のポイントにペグを刺し、桂馬飛びの位置にあるペグ同士であればブリッジで接続することができます。
こうしてラインを作っていき、相手よりも早く対辺を結ぶことができればゲームに勝利します。
評価の高さも納得の素晴らしい完成度に早速惚れ込んでしまいました。
思考のプロセスが囲碁に近いことが想像される、一手のミスが敗北につながるシビアで良質な頭脳戦で、経験も大きく勝敗に影響してくるでしょう。(逆に言えば、やればやるほど、研究すればするほど強くなりそうな奥の深さを感じさせます。)
初プレイだった私は序盤で投了させられることが2、3度続き、その都度頭を下げての再戦という情景。(そしてもちろん勝つことはありませんでしたw)
クラシックという言葉はこういうタイトルのためにあるのだな、と。打ち方について勉強したい欲求もあり、また先手でも後手でも十分に戦い方があるのであればこれは必携のタイトルではないかと思いました。
発売されたばかりの新作、“通路”の海バージョン、“海道”。
“通路”との大きな違いは①コマ同士の擦れ違いが可能、②盤上に障害物“龍”が存在、ダイスロールの結果で移動、の二点。
①の変更によりプレイヤー同士の衝突事故はなくなりましたが、プレイヤー側にこれといった防衛手段のない“龍”が乱数により自由にボード上を闊歩することで突然の脱落という可能性も出てきた本作は、とにかく“龍”から逃れることを優先視したい、パーティゲーム的な色合いが強くなったような気がしました。
自分の好みでいえばシンプルながら引き締まった前作“通路”の方が好きですが、コンポーネント全体に統一感のある、和風の凝ったアートワークには目を惹きつけられるものがあります。
ギュンター・ブルクハルトの2人用、“銅鍋屋”。
有名なタイトルですが、なかなか縁がなく(私自身未所有です)、プレイする機会に恵まれなかった本作もこの日初めて念願のプレイとなりました。
ブルクハルトの諸作にてよく採用されている、お馴染みの手法で外周に沿ってコマを進め、調合する材料を集めていくセットコレクション。集めたカードは重ねておき、確認はできないので記憶要素もあり。
シンプルで分かりやすく、また相手プレイヤーとの駆け引きもしっかりある、良質な適度ゲーで、セットコレクションが好きな自分の性格も手伝って、非常に好印象。
相手のカードを廃棄させたり、手番が増える特殊効果を狙ってゲームを進めたのが功を奏したのか、心地よく快勝。
長い間絶版状態が続き、入手が難しかった本作ですが、今年のエッセンに合わせて4人まで参加できる仕様となったリメイクが出版される模様で、私はこちらの購入を前向きに検討中です。
TRICKPLAYのウェブサイト、ホームページでも採用されている2人用アクション、“FASTRACK”。
ここに来たからにはやらないと、という由来不明の義務感に半ば駆られて立卓w
木製の円形ディスクをゴムではじき、中央のスリットから相手陣内に押し込んでいきます。最初に自分のフィールドからコマをすべてなくした(相手陣内に10個全てのディスクが存在)ほうが勝ち。
2人限定ながら5分で終わるフィラーとして優秀で、またゲーム会開始時のウォーミングアップとしての選択肢も増えたかな、という印象。
最初にちょっと練習してみたのですが物の見事に全く入ることがなく(笑)、手先の不器用さを再確認した次第。(当然実戦でも店長にボコボコにされましたw)
思っていたよりも面白く、こういうのは定番として広く普及してもおかしくはないなあ、と。
ガチ2人対戦の世界もあるかな、どうかなw
見た目のインパクトが大きいギミック系、“THIN ICE”。
手番にはコンポーネントの専用ハサミを使って下の水で濡れたボールをすくい、上のペーパーに載せていきます。
手番中に紙が破れたほうが負け。金魚すくいですw
ゲームの一部に水が使われる“水ゲー”。
次第に重みを増し、じわじわと撓んでいく紙がスリルを醸し出していて分かりやすく、子供にもすぐに気に入ってもらえそう。
プレイスペース広島にて最初に国内供給が始まったそうで、店長が所有されているのはそのときの版のようですが、現在TRICKPLAY店頭にて新版を買い求めることができます。
パーティゲームとして十分よくできています。
ギミック系が続きます。“ハムスターロール”。
手番には自分のコマを一個指定されている3つの中のいずれかのスペースに配置する義務があります。
手番中に崩れて黄色のロールの外側に落下したコマは自分のコマとして引き取ります。
最初に自分のコマをすべて置ききったほうが勝ち。
分かりやすく直感的なルール、ツォッホならではの美しくしっかりとした木製コンポーネント、ゆらゆらとしたコンポーネントの動き、見た目のインパクトなどが素晴らしく、テーブルゲームならではのエンタテイメント、楽しさを提供してくれる秀逸な一作。
すっかり気に入ってしまい、SDJの“ヴィラ・パレッティ”よりはこちらを推したいくらい。
作者はジャック・ゼメ。実はあまりいい印象のなかった僕の中のゼメですが、本作をもって上方修正。もう少し追いかけてみます(笑)。
3人でバランスゲームの新作、“KippX”。
手番には地に着いていない二か所のシーソー部分のいずれかに任意の数の自分のブロックを配置していきます。重みでバランスが変化し、配置に選んだブリッジが着地したら強制的に手番は終了。またいずれかのブロックが崩れてしまうとその場合もそれらを自分のブロックとして引き取ったうえで手番終了となります。
最初に自分のブロックを置ききったプレイヤーの勝利。
2人専用だったシーソーゲームの“キピット”がこれで4人までプレイできるようになりました。
木製のコンポーネントがしっかり仕上がっていることもあって、本作も大人がプレイしても楽しめるバランスゲームとして合格しているかと。やはりこの手のゲームはコンポーネントの出来が重要なのかな。
発売されたばかり(国内流通未定)の新作カードゲーム、“ローマンズ・ゴー・ホーム”。
特殊能力のある手札をラウンド開始時にプロットして、これまた特殊能力のある場札である得点カードの獲得を目指します。
バッティング判定もあり、ざっくり言えばテキストのある“はげたかの餌食”というかそこから一歩進んだフォー・ゲーマー版というか。
珍妙で独特の存在感があるアートワークはあまり好みではありませんが、システムの完成度は高く、デザイナーのゲームデザインに向かうセンスの良さ、理解の深さは伝わってきて、これまた良質なカードゲームだな、と。
これぞプロット!と主張せんまでの骨太なタイトルで、まあ間口の広さでいえば名作ハゲタカには及びませんがリプレイバリューは十分で、所有欲を刺激されました。欲しい!
巨匠クラウス・トイバーによるギミック系、“チップ・チップ・フラー”を3人で。
手番にはコンポーネントのカタパルトを使い、ディスク(昔懐かしフロッピーディスク?)をボード上に投げ込んでいきます。
落ちたディスクを各自のロボットが収拾すべく移動していくのですが、このロボットそれぞれに六面体ダイスが仕込まれており、移動の際それぞれのマスを仕切るラインに出っ張りがあることでダイスの出目がランダムに変化するというのがなんとも面白いギミック。
トイバーのアイデア溢れる子供向けギミックゲームで、大人が真剣にやるには不向きですが、ドイツゲームの豊饒な世界の一端を垣間見ることができました。
油で薄汚れたロボットの加工などコンポーネントの出来も抜かりはなく、流石はドイツゲームだな、と。
プレイ後すぐに欲しくなってしまいましたが現在絶版入手困難なようで残念。(また機会があれば、と気長に待つことにします。)
この後持参した国産同人ゲーム“キャットファーザー”をプレイ。
まだまだプレイしたい珍しいゲームは沢山あったのですが、帰りの電車の時刻も近づいており、店長をはじめお相手していただいた方に感謝しつつ、ここで残念ながら帰宅の途となりました。
そして帰宅。店頭にて購入したタイトルは下の写真のとおり。
これらのタイトルは今後の“越前市(福井)ボードゲームの会”に持ち込む予定ですのでお楽しみに。
それにしても楽しい時間が過ごせました。また行きたい、大阪、神戸、TRICKPLAY!
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