2013/09/19

越前市(福井)ボードゲームの会 9月ゲーム会('13/09/15)

毎月恒例のゲーム会の参加レポートです。

台風の接近に伴い、風雨が強まる中、当初の予定どおり定刻の午前9時に会場入りし、強くなったり弱くなったりする雨の中、この日も終日ボードゲームを楽しみました。

まずは4人で“ジャッカル”から開始。

各自が8面体ダイス3つを持ってゲーム開始。
手番にはダイス3つを振り、任意の数のダイスを場に並べられた得点となるカードの上に、ルールに則って配置していきます。

バッティングした場合はカードの獲得をめぐって再びのダイスロール勝負が発生したり、天国にも地獄にもなりうる“ハゲタカの谷”のアイデアは良く出来ており、運要素はかなり高いですが、判断を下すうえでの悩ましさ、ジレンマもあって、トータルでは良質なダイスロールゲームという印象。

“ベガス”の完成度の高さには一歩及びませんが、30分で終わる良質な適度ゲームとしてリプレイバリューもあるかと。

国産同人タイトル“エレファントパーク”を4人で。

各自が持つ12枚のカードをまずはよくシャッフルし、そのうちの半分6枚を手札とし、手番には任意の場所に1枚(場合によっては2枚)プレイしていきます。

1や6のカードがプレイされた場合、次は裏向きでカードをプレイするというアイデアが上手くこのゲームの面白さを引き立てており、他のプレイヤーの思惑を読んでのハンドマネジメントにはなかなかの悩ましさがありました。

国産の同人ゲームによくあるタイプのシンプルな心理戦から一歩前に進んだゲーム性が本作の妙味で、同卓の面々の印象も良かった模様。

参加するプレイヤーの数が本作の面白さに少なくない影響を及ぼす印象があり、今のところ4人が最適ではないかと思っていますが、5人でのセッションも一度経験してみたいものです。

タンサンファブリークの“ファブフィブ”をようやく初プレイ。5人。

ブラフ系ドイツゲームの佳作カードゲームが日本オリジナルのアートワークを装って再版された、というのが本作に対する僕の理解です。

ブラフなのかそうでないのか、その予想をするうえでの手掛りが絶妙というか、こんなメカニクスよく考えつくなー、と感心。

ブラフゲームは個人的にあまり好みではないので、特に希望者がいないのであれば、これからも進んで卓を立てることは少ないかもしれませんが、特筆に値する実に秀逸なアートワークの完成度の高さもあって、テーブルゲーム未経験者に対するアピール力は十分魅力的。

トータルなアートワークの完成度の高さから所有しておきたい欲求も。

ジャック・ゼメの、これも一種のバランスゲームと言っていいと思われる“ハムスターロール”。

先日の“TRICKPLAY”訪問の際、購入したタイトルのひとつを早速持ち込みました。

手番には少しでも進行方向に進むようにブロックをリール内のスペースに配置していきます。最初にすべての自分のブロックを置き切ったプレイヤーの勝利。

3人でのセッションで、最初は4人目の分のブロックは使わないルールでやってみたのですが、これだとバランスがぬるく、さっくりと置き切ったプレイヤーが出てあっさりとゲームが終了してしまいました。

これで終わるのは勿体ないと引き続き4人目のブロックを均等に3人に分配してから再戦。

難易度バランス的にはこれがちょうど良く、何をいかに配置するか、悩ましい手番の連続となり、本作の醍醐味は十分味わえたかと。

こんなゲームを思いつくデザイナー、ゼメにはリスペクト。

フリークを唸らせるこだわりのタイトルの数々で固定ファンも多い、遊星からのフリーキックの“オートマチック・フロンティア”を久しぶりに立卓。

困難の連続する火星での開拓をテーマとするタイトルで、短期的な将来の展望が望める状況でのアクションプロットがシステムのメイン。

短期的な未来は確立された情報として平等に開示されているので、それにそったアクションの選択、プロットを行っていけば、展開を支配することは理論上可能なのですが、プロセスという仕掛けが曲者で、この進捗の度合い次第では自動的にイベントが連続することもあり、当初の予定どおり物事が進むことは実は稀で、また設定された困難なイベントの数々がピリリとした辛口のバランスであることもあって、参加するプレイヤーの悶絶する光景を必ず目の当りにすることができる、国産同人では珍しいくらいハードなゲーム。

久しぶりのプレイでしたが、“あれ、こんなに厳しかったっけ?”と思えるほどのハードな展開で、点数を獲りにいく余裕もほとんどなく(広告なんてアクション、本当にできるの?w)、最後には攻撃力8の敵対的生物の前に、3人中2人のプレイヤーのロボットが美しくも宇宙の塵となりました。

やればやるほど上達することが窺われるテクニカルなタイトルで、なんというかこのハードなバランスデザインが作者からの挑戦のようにも感じ取れ、リプレイ欲求を刺激されます。

2点ほど細かい点でルール解釈をめぐり疑問が残ったのでここはいずれはっきりとさせておきたい。

米国の新進のパブリッシャー、NEVERMORE GAMESからの出たばかりの新作、“Mars Needs Mechanichs”。

メカニクスに価格変動予測とセットコレクションを積んだ、オーソドックスなシステム。そこに地味目の(少なくとも初回プレイ推奨のセットだとそうでした)特殊効果カードが4枚という構成。

シンプルで色気のない、質実剛健な作風はこの手の価格変動ゲームにはマッチしているというのが僕の評価で、淡泊すぎてアピールしてこないと感じるプレイヤーも少なくないかもしれませんが、この完結した世界にこそ魅力があるのだと私などは思います。

なるべく安く買って、なるべく高く売る、という分かりやすい原理を如何に実行するか、それだけの話なのですが、参加プレイヤー各自の思惑と特殊効果の助長もあって、期待していた未来が訪れるかどうか、その保証はないゲーム(だからこそ、そして、そうでないとゲームは勿論面白くはなりませんが)。

システムの主張が強いため、魅力的な背景設定、フレーバーを楽しむ余裕がやや圧迫されているようで、そこは残念な点か(しかしそれは贅沢というものでしょうね)。

オインクゲームズ、“藪の中”を4人で。

僕の中の理想のゲームのイメージ、モデルとは幾分ズレているオインクゲームズの代表作。
ただズレているから自分が楽しめないか、というとそうではなく、むしろやってて面白いのだから、じゃあこれはゲームじゃないんだ、何か別の何かなのだ、と(いくらか天邪鬼的に)結論づけようとも思うのですが、いやしかしこれはゲームとしかいいようがない、という決着。

“疑心暗鬼”を発生させる格好のジェネレータと捉えることも可能でしょうか。となるとこれはゲームでありながらまた一種の装置でもあるかと。

ただ結果として勝敗を決定するということは本作も紛れもなくゲームであり、勝利のための効率を考えると他者の動向に左右されずに我が道を突き進むことが正しい方向であるようにも思われ、となるとシステムなりギミックなりに一種の脆弱性も孕んでいるようで、そこにはマイナス評価か。

まあしかしこの間口の広さというか、普段テーブルゲームなんぞに縁のない人に対する訴求力、そしてベテランのフリークをも立ち止まらせる奇妙な味には強烈なオリジナリティがあり、本作の最大の魅力もそこにあると考えます。この強烈なまでの“奇妙な味”から抜け出せない僕はこれからもオインクゲームズの新作を追い続けるでしょう。

しかし“藪の中”というタイトルはいろんな意味で立派すぎる。もっと不条理極まりない世界を期待してしまうから。ただ本作のタイトルとして見事にはまってはいるのだけれど。

ギミックの面白さ、“THIN ICE”。

水に濡れたボールをティッシュの上に載せていき、紙が破れた人の負け。

分かりやすいです。楽しいです。楽しんで下さい。以上。というゲームw

ちょっと後片付けが面倒くさいのが難。さあみんなで童心に帰ろうぜ!

アンドレアス・シュテディンクの新作、“ファイブ・ポインツ”で〆ました。

タイルの上にキューブを配置していくシンプルなエリア・マジョリティが骨組み。そこに建物や操作タイルなど各種特殊能力で肉付け。

特殊能力は基本的にはシンプルなものばかりだし、キューブは一手番に一個だけ配置できるので大きな一発逆転劇は起きず、各所でジワジワとした駆引きが続く中での虎視眈眈とした熱い心理戦の楽しめる陣取り。

終了条件が複数あり、厳密に勝利を目指すならそのいずれにも注意を払わなければいけない点においてはプレイヤーに対する負担がやや大きいかも。がメインがシンプルなせいもあってトゥーマッチ感はない。

タイル上のアイコンや原文ルールブックにやや難ありではなかろうか。
内容上同じ事を別の単語、文章で表記しているのでは?と疑われる箇所があり、ここは要確認かな。この辺りの疑問点を一度クリアにした上で、再戦したいところ。完成度は今一歩という感もあるけれど、リプレイバリューはあるというのが僕の印象。こういう派手さのない、地味ながら、ジワジワと進む機能的な陣取りは嫌いじゃない。



こうしてこの日も新旧様々なテーブルゲームを一日たっぷりと楽しみました。

悪天候の中、足を運んでいただいた11名の参加者各位に感謝。またのお越しをお待ちしております。

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