2013/12/23

越前市(福井)ボードゲームの会 12月ゲーム会('13/12/15)

地元での年内最後のオープンゲーム会に参加してきました。

今回は県外からの参加者や小学生同伴で参加される方もいらっしゃり、総参加者15名とまずまずの賑い。

以下この日プレイしたゲームについて雑感を簡単にまとめておきます。

ドイツ人デザイナー、有名なステファン・ドラのエッセン新作“パシャ”から開始。

ダイスロールメインのアクションは少なからず運に依存するのは間違いないのですが、そのラウンドでの獲得点数を決定する手札の決定は自分の手番開始時であるため、手番において先行する他プレイヤーの手の内が分り切った状況で判断を下せるというのがまずは面白い。

またダイスの目を調整したりリロールを可能にするキューブの存在がシンプルなダイスゲームの本作に実に小気味よいジレンマを注入しており、流石はドラ。

特殊タイルの獲得はダイス目次第でなんともままならないのですが、これも強すぎない主張に好感が持てました。

傑作とまでは思いませんが、ドイツ産ダイスゲームの安定したクオリティの高さを伺わせる一作で評価はPositive-。一喜一憂できる楽しいひとときが楽しめます。


メビウスゲームズ20周年を記念して発表された巨匠クニツィアの“京都”。

4種類の絵柄からなるタイル。手番ではそのタイルを配置し、1枚ドローして終了という流れ。

タイルは1枚のみ手札として保持するので、タイルの選択はできず、場にどのように配置するかのみがプレイヤーの判断としてゲームに反映されます。

ゲーム開始時に各プレイヤー毎に獲得点数が2倍になる絵柄が示されるため、その点における各プレイヤーの駆け引きが本作の妙味。

実にシンプルで美しいルールだとは思いましたが、システムに比して運要素が強すぎる印象からノットフォーミー。少なからず期待していたタイトルでしたが残念ながら評価はNegative

客観的に見て、良質なジレンマに頭を悩ます好タイトルだとは思うのですが、個人的には全く合わないサイドのクニツィアの典型的な一作。


エッセン期待の新作のひとつ、“ケイラス”のウィリアム・アッティア“スパイリウム”。

イスタリらしいアイコンのみで効果の示された各種カードをメインとした拡大再生産。

昨今の要素が多めのタイトル群に比べればずっとシンプルで全体の見通しも分かりやすい部類に属すると思われますが、一手の決断が複数の結果への影響を及ぼす(これは今年のエッセンタイトル群の特徴のひとつとも思われるのですが)こともあり、適度なままならなさからリプレイ欲求も刺激され、実に面白い。

カードの枚数もそれほど多くはないので、すべての内容を熟知してからが、運要素低めで競技性の高い本作の新たなスタートか、という思いも。

おそらく相当なテストプレイによって極限まで理想的な数値バランスとなったであろう各種カード群が主軸となって抜群に高い完成度が本作にもたらされており、昨年の“蟻の国”に続く本作が、惚れ惚れとするようなイスタリ黄金期再来の予感すら感じさせます。

ゲーマーズゲームでありながら、ややシンプルすぎる面でのリプレイバリューの伸びに対する少々の不安もありますが評価はこれでどうだのPositive+

期待は裏切られませんでした。これだからテーブルゲームはやめられない。

今期エッセン、私のイチオシ“ロシアンレイルロード”、2回目のプレイ。

高いプレイアビリティと見通しの良さ、運要素低めで高い競技性、2時間以内で終わる高い収束性と密度の濃さ等々。そして欠点がさして見当たらない優等生タイトル。

キエフでの大量得点と?マーカーの恩恵を最大限に享受したプレイヤーに圧倒的な差で完敗というセッションでした。

度重なるワーカー配置という幾度にも渡る意思決定の反映が最終的な勝者とその他複数の敗者を決定するのでしょうね。マルチプレイヤーズゲームの場合敗色濃厚な第三者の意志の反映が当事者同士の勝負に影響を及ぼす面もあり、それもまた含めて醍醐味なのかな、とか。

勝因も敗因もどこにあったのか、プレイ後にあれこれ感想戦でセッションを見直すのもまた充実した時間をもたらしてくれます。

何はともあれ、先んずれば制す、という言葉の実践を今後のセッションにおいて自らに課したいと思います。

GM秋にて頒布された国産同人、桜遊庵の“春夏冬中(あきないちゅう)”。

16枚のカードから無作為に1枚を選び裏向きに場札とし、残りの全てのカードを全員に配った後で、全員でこの場札が何かを推理していく論理ゲーム。

名作“スルース”が日本人の手により2013年型として正しいベクトルを保ちつつアップデートされたと言えば当たらずとも遠からず、でしょうか。

メモをとってはならない、というのは至極真っ当なルールであることに異論は全くないのですが、短期記憶がさっぱり駄目な自分にとってこれは高すぎるハードルだったのが大変に残念だと思わせるくらいには本作は実にきっぱりと屹立した美しいゲームでした。

最後には音を上げて、参加者全員での合意のもとメモをとってもよいというバリアントルールを採用。やはりこちらの方が本作を楽しめましたが、まあこうなると勝者は手番順に少なからず左右されるかもしれませんね。

日本の四季をテーマにしたアートワークも美しく、評価はPositive。たった16枚(+1枚)のカードでここまで完成された世界がまだ作れるのですね。

この他写真撮影を失念したGM秋国産同人新作HOY GAMESの“たねまき”も面白く、この日唯一2回立卓しました。これは面白い独創的なアイデアが光るセットコレクションの佳作で、Positive-と評価しておきます。プレイアビリティは高いのですが奥行きの面と状況によっては単なる処理になる不安もあるかも。


以上6タイトル、7セッションを一日にわたり楽しみました。“スパイリウム”の完成度の高さに頭をガツンとやられた一日。国産同人のクオリティも十分高いな、と思う反面英米の本気の格の違いを思い知ると同時に、やはり自分の本道はこちらなのだな、と再確認。

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