2014/05/03

越前市(福井)ボードゲームの会 4月ゲーム会('14/04/27)

毎月開催している私が主催のオープンゲーム会のレポートです。

さわやかな春の晴天の一日、終日たっぷりとボードゲームを楽しみました。

プレイできたタイトルについて簡単に感想などをアップしておきます。

開場直後午前9時過ぎの会場の様子です。

気持ちの良い晴天で気温も高かったので窓を開放して外気を存分に取り込みました。

窓の外にはここならではの田舎ののどかな田園風景が広がっています。

中央に持ち込みゲームをプールするテーブルを一卓、それを囲むようにプレイ用のテーブルを四卓配置するのがここ最近の卓配置レイアウトです。

このように広々とした明るく清潔な会場でボードゲームを楽しんでます。オープンなゲーム会ですので興味のある方はどうぞお気軽にお越しください。

この日私の持ち込んだタイトルたち。新しめ軽めのゲームが多いかな。

“カプチーノ”(シャルル・シュバリエ/マタゴー/2013年)

まずは3人でこちらから。

ラテ・アートがあしらわれた秀逸なコンポーネントがまずは目を惹く注目の新作多人数アブストラクト。

自分のカップを隣接するカップにスタックさせていき、いずれのカップもスタックできなくなったらゲーム終了。スタックを構成するカップの数で勝敗を決定します。

ルール自体は大変にシンプルですが、勝つためには先の先を読む必要があり、セッション中は脳みそがフル回転。

ランダムセッティングの初期配置次第ではプレイヤーに有利不利の格差が生じてしまうようにも思えましたが、その点も加味して、勝敗に拘った長考プレイよりもお洒落なコンポーネントにあわせたカジュアルな軽めのセッションで大人同士気軽に楽しむのもありかな、と。

ガツンとくるようなインパクトは皆無ですが、ガチもエンジョイもどちらもOKの、非常に収束性のよいシンプルゲームで悪くはない。Negative+

“二ムト20周年版”(ウォルフガング・クラマー/アミーゴ/2014年)

名作二ムトの20周年記念版で、元々の104枚のカードに0.0から0.9までの10枚の“小数点”カードが付加されたバージョン。

オリジナルは言わずもがなの傑作なので、これにアレンジを加えるというのはある意味リスクも伴うのですが、各自1枚持ってスタートする小数点というアイデアはここぞという時の切り札にもなり、また他者がどこでプレイしてくるかという腹の探り合いも生まれており、ピリッとしたスパイスが小気味よく効いているという印象で、これは成功例か。Positive

(その面白さを)半ば忘れたころにプレイするんですが、その都度やっぱり面白いなあと感じることが多く、流石は名作と感心しきり。

“クウィックス・カードゲーム”(ステファン・ベンドルフ、ラインハルト・シュタウペ/NSV/2014年)

2013年度SDJノミネート作のカードゲームバージョン。

並べられた場札か山札からドローすることで手札とし、その手札のプレイで手元のプレイヤーズシートの数字をマークしていきます。

カードゲームとなり前作にはなかったハンドマネジメントのメカニクスがメインに据えられている点が(当然ながら)もっとも大きな違いで、カードをプレイしつつマークはしないことも可能(つまりは実質的な捨て札としての処理)な点がよく利いていて、いかにもハンドマネジメントしているような気になります。

いずれにせよその“クウィックス”らしさは失われておらず、ダイスロールが好きかハンドマネジメントが好きかでどちらを遊ぶか選択できるようになったと捉えてもよいかと。

収束のタイミングを見切るギリギリとした攻防が僕は“クウィックス”最大の醍醐味と解釈しており、それは本作でも十分に味わえました。

ダイスロールでもって本作は完成していると思っているのであえて選ぶなら前作に軍配を上げますが、こちらの完成度も十分で、評価はPositive-

“トイレ”(ラインハルト・シュタウペ/NSV/2012年)

シュタウペの世評もそこそこの近作。

テーマはスカトロ(でもないかw)ながらシステムはしっかりしており、ゲームとしての完成度はよくできているあたり流石はシュタウペ。

全プレイヤーがプレイしたカードのうちもっとも小さい数ともっとも大きい数のプレイヤーが用を足す権利を得るが、数字か色で被った場合トイレに入れないどころか更なるペナルティが待っているというルールが地味に秀逸。

できれば5人目となってペナルティを相殺してくれるトイレカードを入手したいところで、配られた手札から展開を読み、マネジメントを組み立てるのが本作の醍醐味のひとつだが、実際には当初の目論みのとおりゲームが進むはずもなく、結局は場当たり的に毎回の選択に頭を悩ませられるという展開になりがちで、しかしそれはそれでそれも本作の醍醐味になっているというタイトルかと。

これまでの何回かのセッションの時よりマネジメントの妙味が感じられ、個人的評価は若干ながら上方修正となったのが今回のセッション。Positive-

“二ムト”は想起してしまいますね。非常に軽いカードゲームですが今後のリプレイもありの佳作かと。

“スペキュレーション(新版)”(ディルク・ヘン/クィーン/2013年)

ヘンが自身の出版社dbシュピーレから出版していたタイトルをクィーンが装いを新たにして再版したいわば新版。4人で。

ふたつの巾着袋からそれぞれ“アクション”と“数字”のタイルをドローし、それに応じたアクションと株価の変動を処理していきます。

期待の一作だったのですが今回のセッションの印象でいえば平々凡々な並の出来。

今セッションの展開として、各プレイヤーがそれぞれの株券を1枚づつ保持(といっても株券は“プレイヤー数-1枚”しかないので今回は全部で3枚しかなく誰かひとりはその会社の株券を持っていないというような状態ですが)しておりプレイヤーによる方針のカラーに特色がなく、どの会社の株価が上昇または下降しようともプレイヤー間に大きく差が出ることのないなんとも抑揚のない展開で盛り上がりには欠けたのですがこんなゲームなんでしょうか。

うーん、今回は事実上のノー・コンテストと捉えた方がいいかも。4人という人数がやや少ないらしく、またどこかでルール運用ミスを犯している可能性もあるので、次回のセッションはそれらの点に留意して臨みたいものです。Negative

“バサリ・カードゲーム”(ラインハルト・シュタウペ/NSV/2014年)

バッティングの名作“バサリ”のシュタウペ自身によるカードゲームへのリメイク。

ダイスロールによるコマの進行が山札からの各自のカードドローに変更になったと捉えてまあ大体あってるかと。

すでに古典的とも思えるバッティングのメカニクスはしっかりとした完成度の高さもあって、確かに今でも十分面白いのですが、その一方で多少の古臭さも感じるなど。

“バサリ”の可もなく不可もないダウンサイジングで、まあ古典が手軽に楽しめるようになったという位置付け。Positive-

ドイツゲーム入門者は是非ともプレイを!

(しかしNSVは良質なカードゲームを安定供給してますね。)

“花火デラックス”(アントワン・ボザ/アバクス/2013年)

ボザの有名なタイトルがコンポーネントを麻雀牌にグレードアップ。4人。

オリジナルのシステムが元々完成度の高いタイトルでしたがこのコンポーネントとの相性はこれ以上ないくらいバッチリで、プレイアビリティが抜群に向上。

基本ゲームでは5色、1が3個、2~4が2個、5が1個、合計50個の牌があります。まずは参加者全員にこれを周知することが攻略の第一歩。また捨て牌はすべて確認できるという点もしっかり抑えておきたい点。

理詰めで誰に何を助言するのがこの場で最適なのかあれこれ考えるのは大変な知的興奮そのものかと。

そして純粋な協力ゲームである以上チームワークは大切で、他者の行動について批判的な言動などは慎むべきとも思われます。和が大切w

25点満点の完全勝利はまあ運も絡んでくるとは思いますがこのタイトルに魅了されたすべてのプレイヤーが夢見る究極のゴールか。

記憶力も絡んでくるのでそこが苦手な人もいるかもしれませんが、クレバーな、ボザの実にスマートな一作かと。Positive

しかしこれほどしっくりとくるコンポーネントに触れてしまうともうカードバージョンには後戻りできませんし、この版をもって本作は完成したのだとさえ言いたくなりますね。

“アブルクセン”(クラマー&キースリング/ラベンスバーガー/2014年)

黄金コンビによる発表されたばかりの新作カードゲーム。

すでにその完成度の高さが巷で話題になっていたこともあり少なくない期待とともにプレイに臨んだのですが、僕のその期待は裏切られませんでした。

ゴーアウト系のカードゲームで場に出せたカードがプラス、残った手札がマイナス。

面白いのは“スナッチ”というアイデアで、場に出せたカードも後続の他者のプレイ次第では手札に戻ってきます。単純に考えてこれは避けたいの所なのですが、手札や場の状況次第では逆に自分にメリットがある場合もあり、その辺りの攻防も熱く、それ故に本作ならではの妙味、醍醐味が生まれています。

シンプルなアイデアのみでまだ出会ったことのないような新鮮な面白さを感じさせてくれる良質なスルメゲーで、ドイツゲームの可能性の奥深ささえも。Positive

この2人の才能はまだまだ枯れていませんね。まだしばらくはリプレイすることになりそうです。こういうシンプルなスルメゲーってほんと好みなんですよねw


この他大きなルールミスによりノーコンテストとなったヤッツィー四目並べの“Cuatro”もプレイ。こちらは正しいルールで近日中に再プレイしたいものです。折角なので写真だけでもアップしておきますか。

いやしかし写真映えのするカラフルなコンポーネントですよね。


というわけでこの日のオープンゲーム会も総参加者12名のみなさんのご協力のもと無事終了することができました。

また来月もたっぷりとボードゲームを楽しみたいと思います。参加していただいた皆様お疲れ様でした。また卓を囲んだ際はどうぞ宜しく。

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